出版社内容情報
「電子工作で何か作りたいけれど、何をやるか思いつかない……」
そんな悩みを抱えている人にこそ挑戦してほしいのが、IoTを活用した防犯機器やホームセキュリティの自作です。身近で現実的な課題を解決するテーマであるため、完成後も実際の生活の中で役に立ち、単なる工作にとどまらない達成感を得ることができます。また、自分で作った装置が日々の安心につながるという実感は、ものづくりの楽しさをより一層深めてくれるはずです。
本書では、電子工作初級レベルの知識があれば無理なく取り組める内容を前提に、自宅で運用可能な防犯システムの構築方法を解説します。
はじめに、防犯システムを考えるうえで欠かせない使用目的の整理や設置場所の選定といった設計の基本を丁寧に説明し、「どこに・何のために設置するのか」を明確にするところからスタートします。
そのうえで、防犯カメラの自作や玄関ドアの戸締り状況を把握するための検知システムの作成など、具体的な装置の製作方法を段階的に紹介します。
さらに、システムを安定して運用するために欠かせない要素についても詳しく触れています。たとえば、長時間稼働させるための電源の確保や、無線通信を利用する際の電波環境の整え方など、実用面で重要となるポイントを具体例とともに解説します。また、IoT機器ならではの課題であるセキュリティについても取り上げ、マイコンやネットワークが外部から不正に操作されないための基本的な対策を紹介します。単に作って終わりではなく、安全かつ継続的に使い続けるための知識も身につけられる構成です。
闇バイトやトクリュウといった不安をあおるニュースが増えている昨今、自宅の防犯に対する関心はますます高まっています。もちろん、本書で紹介するのは個人で自作できる範囲のシステムではありますが、自分の手で環境を整える経験は、防犯意識を高めるだけでなく、家族や自身の安心にもつながります。そして何より、「自分で考え、作り、役立てる」という一連の体験は、電子工作の面白さを実感する大きなきっかけとなるでしょう。本書が、IoTを活用した電子工作への第一歩となり、防犯への理解を深めると同時に、新たなものづくりの楽しさへとつながる一助となれば幸いです。
【目次】
はじめに
■ 自作防犯システムの要件定義
[1-1] なぜ要件定義が重要なのか
[1-2] 自作防犯でも最低限考えるべき4つの要件
[1-3] 自作防犯は「通知が来ればOK」で割り切る
■ カメラで監視する
[2-1] Raspberry Piで監視カメラ
[2-2] Raspberry Pi用カメラの基礎知識
[2-3] ラズベリーパイでカメラを使う準備をする
[2-4] カメラ映像(動画)を表示する
[2-5] スマホからカメラ映像を確認してみよう
■ 人の接近を検知する
[3-1] より高機能な監視カメラに挑戦
[3-2] 人感センサーが反応したら撮影する
[3-3] 人感センサー反応時のカメラ画像を自動送信
■ 映像から顔や物体を検出する
[4-1] OpenCVで顔を検出する
[4-2] カメラ映像からリアルタイムで物体を検出
[4-3] 検出した物体をカウントする
[4-4] ナイフを検出したときにGmailで通知する
■ 鍵の状態を確認する
[5-1] 「鍵かけたっけ?」を解消したい
[5-2] 構想
[5-3] 工作
[5-4] コード書き
[5-5] 完成
[5-6] 改良プラン
[5-7] 確認方法の実装
■ 宅配ボックスへの投函を検知する
[6-1] ポストと宅配ボックスの選定
[6-2] 宅配ボックスのスマート化
[6-3] 高性能住宅の電波環境
[6-4] 通信問題の解決
■ 電源を確保する方法を考える
[7-1] 玄関先でUSB電源を確保したい
[7-2] 屋外での電源確保を考える
[7-3] PoE配線からUSB電源を確保する
[7-4] 接続計画とテスト
■ 電波を確保する
[8-1] 屋外でWi-Fiを使う方法
[8-2] 屋外用Wi-Fiアクセスポイントを選ぶ
[8-3] TP-Link Omada EAP225-Outdoor
[8-4] PoEエクステンダーを選ぶ
[8-5] 取り付け作業
■ Raspberry PiへのSSH接続
[9-1] Raspberry Piを安全に遠隔操作
[9-2] SSHとは何か
[9-3] SSH接続の準備
[9-4] パスワード認証で接続してみる
[9-5] 認証方式の種類
[9-6] 公開鍵認証の設定手順
[9-7] 接続に必要な情報のまとめ
■ 信頼性が高いシステムにするには
[10-1] なぜ通知設計が防犯の成否を分けるのか
[10-2] 警備会社の仕組みから学ぶ「通知の基本原則」
[10-3] DIY防犯で最低限押さえるべき3つの冗長化
[10-4] Home Assistantでできる通知設計の強み
■ 自作防犯の失敗例
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