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加悦鉄道―丹後ちりめんを運んだ「絹の鉄道(てつみち)」〈上〉

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  • サイズ B5判/ページ数 47p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784777053704
  • NDC分類 686.216
  • Cコード C0065

出版社内容情報

加悦鉄道は日本三景として有名な天橋立にほど近い国鉄宮津線丹後山田駅(現・北近畿タンゴ鉄道野田川駅)から加悦までわずか5.7?qを結んだ鉄道です。
1926(大正元)年の開業時は旅客輸送とともに加悦町で産出される「丹後ちりめん」の輸送を目的としていましたが、その後、沿線でニッケル鉱が発見され、戦時体制へと進む世の中の流れに合わせるように加悦鉄道はニッケル鉱輸送にまい進することになります。
戦後も精錬工場から出荷されるニッケル製品の輸送が加悦鉄道の大きな役割となりました。
また、この鉄道は明治時代をはじめとした古い蒸気機関車などを多数保有していたことでも有名で、1977(昭和52)年にはそれらを展示した「加悦SLの広場」を開設、一躍全国のファンから注目されることになりました。
 1984(昭和59)年に国鉄の貨物輸送縮小によりニッケル製品の輸送が廃止されたことから、1985(昭和60)年4月30日をもって加悦鉄道は廃止されましたが、「加悦SLの広場」はその後も営業を続け、廃止から30年近くを経た現在もなお、この鉄道で使用されたほとんどの車輌が美しい姿のまま保存されています。
 本書上巻では開通から廃止まで、その歴史を収録します。

目次

加悦鉄道が建設されるまでの経緯
加悦鉄道の開業
開業当時の車輌
北丹後大震災
丹後ちりめんを運ぶ絹鉄道
開業10周年
ニッケル鉱の発見と製錬技術の確立
経営権の移譲
専用鉄道大江山線の敷設
専用鉄道岩滝線の敷設と岩滝製錬工場の竣功
ニッケル鉱土の一貫輸送と終戦
第二次大戦後の状況
日本治金工業大江山製造所でのフェロニッケル製造再開
2号機関車の保存
加悦鉄道営業線での奮闘
SL広場n開設と廃線

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

13
それにしても2号機関車の話は「やえもん」を彷彿させる。かわいいC-160号機をまた見たくなった。さて、加悦鉄道は地元の努力により開業し、60年間で鉄道としての終止符を打ったとはいえ、現在もSL広場として残り、その功績を十分に見ることができる。その意味では幸運な鉄道だったんだなぁ。戦争をはさんだ前後は、ニッケル鉱石・鉱土の輸送に超忙しく、丹後ちりめんの輸送はすっかり霞んでしまうのだが、その歴史の記述からは、この短い鉄道がどれほど地元に愛されていたかが、ひしひしと伝わってくる。ぜひ下巻も読みたい。2014/10/13

rbyawa

1
f044、かつて原材料を京都に運ぶだけだったこの加悦地方が自分たちで産業地として「丹後ちりめん」を作り出し、国が放棄した計画に則って小さな鉄道を作ったものの、その開業が大正15年、あと数年も経つと戦争が始まる時期だったというのが歴史の皮肉だなぁ。近くにある大江山のニッケル鉱と製錬工場を運ぶ引込み線を両端に作り、その工場の傘下に入り、ニッケルの鉄道輸送そのものと共に廃線の歴史を迎えたってのも惜しい話だなぁ。鉄道の本だから仕方ないんですが、丹後ちりめんそのものはどうなったんだろうね、しかし下巻はSL広場の話?2015/02/28

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