RM LIBRARY
名古屋市電〈上〉

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  • サイズ B5判/ページ数 46p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784777053520
  • NDC分類 686.9
  • Cコード C0065

出版社内容情報

明治31年、我が国2番目の路面電車として開業した名古屋電気鉄道は、その後、名古屋市に受け継がれ、長く市内交通の主役として親しまれた。戦後も路線の延伸が続き、最盛期の昭和36年には全長107?qの路線が市内に縦横無尽に敷かれ、27の系統が運転されていた。しかし、その後地下鉄の開業、自動車の増加とともに路面電車の撤去が進められ、昭和49年、ついに全廃されたのである。
 名古屋市電の姿を3巻に分けて収録する本書、上巻では名古屋市電の成り立ちから廃止までの歴史とともに、路線、運転、そして電車デザインの系譜を収録する。

目次

1 名古屋市電小史1 創業から最盛期へ(馬車鉄道から電気鉄道へ;広がる路線網;電車賃値下げ運動と市営化;市営化から戦前の黄金期;太平洋戦争下の市電;復興から最盛期へ)
2 名古屋市電小史2 全廃への過程(廃止の背景;路線廃止が具体化;財政再建計画と路面電車事業の廃止;市電廃止の検証)
3 路線の概要(勾配と曲線;鉄道との交差)
4 運転の概要(運転系統の特徴;常時系統以外の運行;運転;運輸事務所・車庫と工場)

著者等紹介

服部重敬[ハットリシゲノリ]
日本路面電車同好会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えすてい

7
時代遅れで車社会の邪魔者扱いにされ、道路・地下鉄・バスの新路線整備に太刀打ちできず、廃止が既定路線になると、どんなに「反対」の声が上がろうと、たとえ地域住民から反対の署名が集まろうと、特に自治省が地方公営企業の財政健全化の通達を締め付ければ締め付けるほど、覆すのは不可能なのだ。後年、どんなに廃止を悔いても、当時の社会情勢は「市電」を許さなかった。名古屋市の広い道路は功罪ある。名古屋市戦後復興の立役者である田淵寿郎の都市計画の弊害も、もっと着目すべきだろう。2020/03/18

えすてい

7
今日の矢田・古出来町・今池・大久手・吹上・御器所・桜山・博物館・新瑞橋・笠寺西門・本城中学・南区役所・北頭・大江町・開橋・昭和町、金山・高辻・滝子・桜山、大久手・安田住宅を見てると、最後まで残った名古屋市電、の面影はほぼ皆無だな。当時との移り変わりが大きくて、市電時代の「遺構」はぱっと見では「何も感じられてこない」。むしろ、そこに市電があったことすら信じられない光景である。2020/03/05

えすてい

6
市電を回顧する本はいくつかあるが、廃止に至る経緯を冷徹に分析する本はほぼない。従ってこのRMライブラリーの上巻はその点で貴重だ。郷愁だの庶民の乗り物だのと言う以前に、当時の万年赤字体質でありながらも独立採算制を大原則とする地方公営企業の置かれた状況下では市電を維持することは不可能だった。日本の中長期的な展望を描けない政策体質に苦言を呈すところもあるが、「もし」があったら、仮に上下分離方式が早くから日本でも導入されていたら、市電はある程度は残されていてある程度の更新は図られただろうと思う。2020/03/24

えすてい

2
表紙は名古屋駅前。ちょうど名古屋中央郵便局の南側・大名古屋ビルヂングの前あたりの「名駅降車場」。左に映っているのは「無音電車」の最高傑作2000型・右に映っているのは名古屋市電の代表車両の1400型。名古屋市電の各路線・系統について述べられているのが上巻。2013/09/25

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