内容説明
大井川鐵道井川線についてはこれまでに多くの文献が記されているが、本書では車輌面より歴史に重点を置き、後年のアプト化に計画責任者として直接関わった知見も加えて集成し、再評価を試みたい。
目次
井川線前史
千頭森林鉄道
井川線の誕生
20年続いた大輸送
井川延長
地方鉄道としてのスタート
DB1の物語
客車の自作
アプト鉄道への模索
井川線の車輌
井川線沿線物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えすてい
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千頭の森林鉄道に大井川のダム開発のために敷かれた井川線。その後旅客鉄道として一般客を乗せる目的へと変遷していったが、線路は狭軌でも独特のナローサイズはそのまま。平成に入りダム開発のためアプト式の新線に切り替えられ専用電気機関車が導入された。普段はアプト区間しか走らないが仮台車を履いて大井川本線を回送される写真は超貴重。機械式DB型機関車の一方的な牽引からカミンズ製エンジン搭載のDD20が登場し井川寄りに運転台をつけたペンデルツーク方式に至る平成までの井川線の歴史の流れを俯瞰できる一冊。
rbyawa
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e206、大井川鐵道ってそれ自体が「SLの動態保存のために存在している」とまで言い切っていた鉄道会社じゃなかったかな? この井川線に関しても廃線という話もあったものの、こちらが目的の観光客も少なくなくて経営上有利だよ、と触れられていたような記憶なんですが、あ、ダム建設のために作られて地元の人に無料で提供されていたって森林鉄道の一つかな?(安全装置がないので怪我しても文句言わないって念書書いてたところあったよねw) でもかつて完全に孤立していて、この井川線の存在で初めて外と通じたのなら、まあ気持ちはわかる。2014/07/25