内容説明
学生時代、師岡野弘彦に導かれて歩いた万葉の地。時を経て、「玉ゆら」創刊号より十五年間、丹念に歌の地を巡り、今に通じる万葉人の世界を、みずみずしい筆致で描く。越中国守の若き家持の真情も解き明かし、遙かな万葉のひびきへといざなう出色の書。
目次
日並皇子の命の(巻一・四九)―柿本人麿
秋山の樹の下隠り(巻二・九二)―鏡王女
新しき年の始の(巻二十・四五一六)―大伴家持
磯のうへに生ふる馬酔木を(巻二・一六六)―大伯皇女
山振の立ち儀ひたる(巻二・一五八)―高市皇子
立ちかはり古き都と(巻六・一〇四八)―田辺福麿
降る雪はあはにな降りそ(巻二・二〇三)―穂積皇子
采女の袖吹きかへす(巻一・五一)―志貴皇子
明日香川瀬瀬の珠藻の(巻十三・三二六七)―作者不詳
朝日照る佐太の岡辺に(巻二・一七七)―皇子尊の宮の舎人ら〔ほか〕
著者等紹介
鈴木久美子[スズキクミコ]
1948年千葉県生まれ。1970年國學院大学文学部卒業。2003年「玉ゆら」創刊参画、「玉ゆら」短歌会所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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