内容説明
「螟蛉は眠りに入らむか葉の陰の細枝にしなふ萌黄一身」意表をつく自在さである。「写生」というきよらかな錘りを裡に秘め持つ山口和子の余裕の作品である。期待の第一歌集。
目次
１（プリズム；伎楽面；「善き羊飼い」；一夏；欠落の秋；冬枝；寒菊；みちのく幻想；睦月つれづれ；寒昴；多発テロ；鬼無里）
２（父の湯呑；風小僧；旅―ナイアガラ；旅―トスカーナ；花野；照柿；秋の日は；雪に立つ；パステルカラー；明治座；紫陽花；夏の坂；秋冷；子規堂；つくば都市；春の御堂；電光ニュース）
３（いぬふぐり；白ばら；母子草；エゴの花；さくら；ザクセン；真秀らなりき；うから；風化；ヴォラーレ！；りんりんと；逆光；ロゴ文字；伊勢神宮；ゆらぎ）
