内容説明
臆病でありながら攻撃的、そして優しさと残酷さを併せ持つ―「鳥女」はきっと、あなたの中にもいる。第1歌集から7年。働く、踊る、憤る…骨太さを増した日常詠が、現代を活写する。新作60首を収め、躍動感あふれる第2歌集。
目次
一樹
冬の干潟
繰り返す朝
粘土
笑わぬ女
scrapbook1
白亜紀
眉は意志もて
日曜学校
バジルの香〔ほか〕
著者等紹介
松村由利子[マツムラユリコ]
1960年生まれ。1990年「かりん」入会。1994年短歌研究新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わいほす(noririn_papa)
1
2005年発行の著者第二歌集。こんなにも共感できる歌が多い歌集に出会えた幸せ。同世代なので当時40代。人生のターニングポイントでもがく著者の思いや迷いがひしひしと伝わってくる。新聞記者として、母として、女として。詩的な表現に陥らず、わかりやすい言葉で、自分をどこか客観的に見た短歌は、記者ならでは。臓器移植や9.11など事件当時の編集局での状況や中間管理職の悲哀、囲碁やフラメンコの歌も面白い。「災害が起これば活気づく職場張り切る一人とならねばならず」「いつか塩の柱とならんこんなにも振り返ること多きわが生」2022/06/17
紫苑
1
だいぶ前に読んだ歌集。小山田二郎の「鳥女」(そのうちの1枚が表紙になっている)が好きなので、タイトルに惹かれて。「等身大」というとやたら軽くなってしまうが、自分の仕事、日常、内面を平易な言葉で、ある意味感情的な表現を排して詠ったことに逆に実生活の重みを感じる。