BL進化論(対話篇)―ボーイズラブが生まれる場所

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 453p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784776796923
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0030

内容説明

男性同士の恋愛を軸とした一大エンタテインメント・ジャンルであるBL(ボーイズラブ)。そのBLが、現実の進化を先取りし、ホモフォビア(同性愛嫌悪)や異性愛規範、ミソジニー(女性嫌悪)を克服した社会へと進化することを助けている。第一線で常に新しい表現を模索してきたBLクリエイターたちは、今なにを考えているのか。BLが生まれる初期衝動とは?作品と現実社会との接続は?LGBT差別のない社会になった時、ジャンルは廃れるのか―?気鋭のBL研究家が、作家たちとの対話を通じてその魅力にディープにせまりながら、BLの進化・社会との関係を考察する。

目次

「最終的には、セックスの時に、『俺が受けてもいいよ』っていう『攻』が好きなんです」―漫画家 ヨネダコウさんとの対話
「同性愛の人が恋をして、社会と触れ合っていくというのが描きたかった」―漫画家 中村明日美子さんとの対話
「書き終えた時、一筋の光が見えたんです。真っ暗なトンネルの奥にうっすらと光が見えた」―小説家 岩本薫さんとの対話
「漫画家という作る側に、一生懸命、なろうと思って、なった。それは大変ではあるんですが、作る側にならないとわからん楽しさもある」―漫画家 トウテムポールさんとの対話
「懊悩を抱えているかもしれない読者さんに対して、『エロを欲するのは、なんら恥じることではないっすよ』ということを言いたくて…」―小説家 榎田尤利/ユウリさんとの対話
「自分のネガティヴな部分を、漫画に描くというためのモチベーションに変えないと、きっと潰れちゃう」―漫画家 スカーレット・ベリ子さんとの対話
「『赤い靴』のように、頭の中でイメージがわくと、それを吐き出さないではいられない」―漫画家 石原理さんとの対話
「漫画の主人公にあまりなってこなかった人々の営みの中にも、輝く瞬間は絶対にある。そんな人たちの幸せな瞬間や大事な想いを大切に取り扱いたい」―漫画家 羽生山へび子さんとの対話
「タブーは存在するけれども、それが、ゲイやレズビアンであることに対するタブーではない世界を構築することが重要だった」―作家 C.S.パキャットさんとの対話
「私のBL作品のキャラは最初からゲイです。それが私の萌えだから」―漫画家 よしながふみさんとの対話〔ほか〕

著者等紹介

溝口彰子[ミゾグチアキコ]
大学卒業後、ファッション、アート関係の職につき、同時にレズビアンとしてのコミュニティ活動も展開。1998年、アメリカNY州ロチェスター大学大学院に留学、ビジュアル&カルチュラル・スタディーズ・プログラムでのクィア理論との出会いから、自身のルーツがBL(の祖先である「24年組」の「美少年漫画」)であることに気付き、BLと女性のセクシュアリティーズをテーマにPhD(博士号)取得。BL論のみならず、映画、アート、クィア領域研究倫理などについて論文や記事を執筆。学習院大学大学院/早稲田/法政/明治学院/多摩美術/共立女子/和光大学など複数の大学で講師をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

8
図書館にて。ちょうど定延利之『コミュニケーションと言語におけるキャラ』を読んだばかりなので、英米系のクィアー論やフェミニズム批評が掬い上げられない言葉のアヤを拾うことが出来た。性、年、品、格というパラメータからなる「発話キャラ」の類型まんまだと個性に乏しいし、かといって非現実すぎる値を取ると、滑稽すぎてギャグになってしまう▲とある作家さんへのインタビューで、最初編集部が獣人BLに懐疑的だった、自分はむかしウルフガイ好きだったんだけど…というお話が印象的でした。2020/12/27

FuSa

8
前著に続き本著も大ボリューム。BL作家さんたちとの対談で、どんなことを考えて作品を創作されているかがうかがい知れて興味深かった。千葉雅也さんの対談はやはり哲学的で、三浦しをんさんとの対談は好きの熱量が釣り合っていて紙面上なのに熱さがバンバンに伝わってきた。実写コンテンツの充実ぶりに驚く。そして気になる。2017/12/13

みずほ

6
★★★★☆ 図書館本。BL作家さん10人にプラス別の角度からBLと関わっている人3人の対談集。13人中10人の対談を読んだ(時間がなかったのであまり興味のない3人はパスした)。ヨネダコウさん、中村明日美子さん、榎田尤利さん、よしながふみさん、三浦しをんさんとの対談は中身が濃くて特に面白かった。三浦さんの「BLほど『対等とは』『愛とは』ということを考え、そしてそれを考えることを登場人物に課すジャンルは他にない」という発言に「なるほど」と頷いた。少女漫画を起源としたBLだが、少女漫画より多様だというのも同意2018/01/05

kenitirokikuti

5
図書館にて。『BL進化論』と続編・姉妹編の『BL進化論[対話篇]』を読んだ。本書は再読であった▲アート&カルチャーで、英米的な「非・異性愛」コミュニティ活動者、というのが著者の輪郭と捉えた。セジウィックの「ホモソーシャル論」を再説しつつ、西欧にはMale Gaze しかないが、日本にはFemale Gazeもある、といった海外からの見解も引用したりと、日本の周辺的なBL読者/そしてファンロード的なアニパロ者である我としては、なんか転倒した感じを受ける▲よしながふみの、自分は少女漫画家という自己規定が興味深2022/10/26

三森紘子

5
対話で登場する漫画家さんの作品はどれも面白そうなので読んでみたいと思った(特にヨネダコウさん)。ゲイビではない実写BLという市場があるとは知らなくて興味深い話だった。自分で買って観るまではしないだろうけど発展してほしい産業だなぁ。エロ妄想は癒し、エロ妄想は救い、と思うことが最近ほんとによくあったので、共感するところの多い1冊だった。2018/03/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12362512
  • ご注意事項

最近チェックした商品