感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こぼこぼ
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再読。満洲,南洋諸国をブロック化する事により,欧米列強との戦争を回避し「冷戦」を経た平成日本に沈殿しつつある閉塞感を描く表題作と同じ時系列に属する連作集。「平成イリュージョン」では個人の内面に光を当てていて,戸原と平が「もし米英と戦火を交えていたら」どちらがマシな日本になるのだろうか?自問するラストが良い。後の「平成COMPLEX」ではこれがよりポリティカルフィクションとしてリメイクが試みられるのだが……。近代化改修された大和や「空と海の狭間で」に登場する「天狼」等の描写も素敵。再度復刊して欲しいなぁ。2016/02/28
有海2000
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太平洋戦争を回避出来たIF世界の平成時代を生きる憲兵少尉の物語。作中の日本人たちが醸し出している「強者の閉塞感」とか諦観の入り交じった雰囲気・言動、社会の空気感みたいなものは結構リアルに感じました。英米と戦争して破滅するIF世界の戦争映画を観て涙する描写を描いたシーンなんかは、実際にそういう世界が訪れていたら本当にありそうな気がする(苦笑。地味に名作だと思う。2012/10/05
ユーキー・ノウェイン
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90年代のため絵柄は90年代の絵柄であるが、COMPLEXよりもすっきりしていて読みやすくテンポが良かった。また主人公、翔子がインテリであり、非常に面白かった。また短編はSFが多くこれらをまとめたのがCOMPLEXの 方である。しかし今月著者のホームページ消えてしまい、Twitterに以降したようだ2012/08/24
パピプペポ
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マンガ図書館Z。無料なのが申し訳ないと思ってしまうくらい、面白かった!表題作も良いが、二転三転して先が読めない「女神の背信」が特に好き。全編通して、他者への前向きで暖かな眼差しが感じられる。紙の本が出てたら絶対買うのになあ~2020/06/13