内容説明
全国民を追い払った後の、ニホン国。親に売り飛ばされて、インドから連れて来られたアショーカは、夜な夜な訪れる客人の愛撫を受け入れ、喜楽とおぞましさのないまぜる坩堝に吸い込まれてゆく(『児の館』)。堀を飛び越えることを夢想して、ひたすら足を鍛錬したが、あっけなく釈放されてしまった。だが、門をくぐって出たのでは、何の意味もない。閉塞感の奥で、俺は、立て続けに4人の女を殺した(『特別手配』)。
著者等紹介
吉田雅人[ヨシダサマト]
1944年宝塚市に生まれる。京都教育大学を卒業。大阪府立高等学校を退職
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