内容説明
それは音を立てて沈みゆく赤い陽だった…。昭和十九年冬、兵役の除隊間近に満州を発った戦友達を見送り、出発直前に部隊名簿から外された二十四歳の青年兵士。満州に残された彼は、広い大陸の中を転々と駆け回っていく。淡々と流れる戦時という名の日常、そして敗戦。運命に導かれるように転がる、彼の長い旅が始まる。
それは音を立てて沈みゆく赤い陽だった…。昭和十九年冬、兵役の除隊間近に満州を発った戦友達を見送り、出発直前に部隊名簿から外された二十四歳の青年兵士。満州に残された彼は、広い大陸の中を転々と駆け回っていく。淡々と流れる戦時という名の日常、そして敗戦。運命に導かれるように転がる、彼の長い旅が始まる。