出版社内容情報
ナイル川のほとりで畑仕事をする少年アジーズ。水牛のガムーサに仕事を手伝ってもらいたいのですが、ガムーサが逃げ出してしまって……。旅する絵本作家、市川里美さんが今回お話の舞台に選んだのは、エジプトです。畑仕事に水牛が活躍しているのを見て、暮らしの中で人と動物との深いかかわりが今もなお続いていることに感動し、このお話が生まれました。日本の子どもたちに、今同じ時間、同じ地球の上で、自分たちとは違う暮らしをしている人たちがたくさんいることを知ってほしい、という市川さんの思いがこめられています。
内容説明
ぼくは、アジーズ。ナイル川のほとりにすんでいる。ぼくの国、エジプトは、ピラミッドでゆうめいだよ。ピラミッドには、4500年もむかしの王さまファラオがねむっていて、そばにはライオンのからだをしたスフィンクスがすわっている。ある日、ぼくと水牛のガムーサにふしぎなことがおこったんだ。
著者等紹介
市川里美[イチカワサトミ]
岐阜県大垣市生まれ。1971年、旅行で訪れたパリにそのまま移住。その後独学で絵を学ぶ。こどもの世界をあたたかく、生き生きと描き、世界で出版された絵本は80冊を超える。『春のうたがきこえる』(偕成社)で講談社出版文化賞絵本賞、『はしって!アレン』(偕成社)で第28回サンケイ児童出版文化賞美術賞など、受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
8
市川里美の世界を旅する絵本のエジプトのおはなし。畑仕事のために市場で買った水中のガム―サは仕事をしようとしません。しつけをまかされた息子のアジーズは逃げ出したガム―サを追います。ガム―サはスフィンクスの足元に座り動こうとしません。すると二人に不思議なことが…。2023/09/15
奏
6
世界を旅する絵本シリーズ。「ほかの国を、ほかの人を理解したいと思うことは大切なことではないでしょうか」と市川さんの言葉どおり、エジプトの男の子と畑仕事をするため農家で飼われていた水牛のガムーサ、そしてピラミッドとスフィンクスが登場し、夢のふくらむストーリー!エジプトの水牛は、他の国のどの牛とも違って、エジプトの独特の風景になっているのだそう。2023/08/11
遠い日
6
「市川里美の世界を旅する絵本」シリーズ11。市川里美さんの絵が進化し続けていることがすてきだ。今回はエジプトの少年のお話。少年アジーズと、買い始めた雌牛ガムーサとの友情が築かれるまで。エジプトらしい、スフィンクスの語りも挟まれたりして、重厚な印象。アジーズとガムーサのこれから先の友情がずっとずっと紡がれていきますように。2023/07/30
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- 和書
- 婉という女 角川文庫