内容説明
「時間がとけていくみたい」そう言って、おばさんが話してくれたのは、ひとりの男とニワトリのお話。あまいチョコレートみたいに優しい、物語の結末は…。
著者等紹介
岡田淳[オカダジュン]
1947年、兵庫県生まれ。38年間小学校の図工教師を務め、その間から児童文学作家として、また、絵本、マンガ、翻訳などさまざまな分野でも活躍する。『放課後の時間割』で日本児童文学者協会新人賞、『雨やどりはすべり台の下で』で産経児童出版文化賞、『願いのかなうまがり角』(いずれも偕成社)で同賞フジテレビ賞、『扉のむこうの物語』で赤い鳥文学賞、「こそあどの森の物語」シリーズ(ともに理論社)で野間児童文芸賞など、受賞作多数
植田真[ウエダマコト]
1973年、静岡県生まれ。画家。絵本や装画を多く手がけるほか、絵画制作、ライブペインティング、音楽など幅広く活動。『マーガレットとクリスマスのおくりもの』(あかね書房)で日本絵本賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
149
港の公園のベンチでチョコレートを食べながら聞くおばさんの物語。たった一度のうそで風見鶏になってしまったニワトリだけど…時間はチョコレートのようにとけていく。優しい結末で良かった。植田真さんの挿絵も雰囲気あって素敵。チョコレートが食べたくなる一冊でした。2021/09/13
seacalf
83
短いお話ながら、優しさとウィットに溢れる素敵な話だった。5年生のゆきちゃんとみこおばさんはゴールデンウィークに異人館や港をデート中。その終盤にゆきから今回のお出かけの感想を聞いたみこおばさんは突然即興でひとりの男とニワトリの話を始めるのだが・・・。装丁や挿絵も心が行き届いていて素直に物語に引き込まれていく。季節柄、滅多に食べられない高級チョコレートの頂き物があったので、この物語にあるようにゆっくりと甘みを感じながら読めばなお良かったかも。まだ未読の方はお手元にチョコを用意すると一層楽しめるかもしれない。2022/03/06
☆よいこ
80
児童書。4年生位から~。ゆきちゃんは大好きなみこおばさんとふたりで港と異人館を見に行く。チョコレートを食べながらベンチで休憩すると、今日見たものの中で好きなものを挙げてと言われる「異人館、風見鶏、ライオンのノッカー、金属でできたツタのからまった電気スタンド、坂道、風船売り、チョコレート」おばさんは物語を語り始める▽異人館に住む風船売りとニワトリの話。ニワトリのいたずらで風船売りが大変なことに▽即興で作られる物語はとても優しいストーリー「時間がとけていくみたい」チョコレートが食べたくなる。良本2022/06/17
美紀ちゃん
75
チョコレートって時間がとけるみたい。 素敵。2021/08/19
はる
74
こんな風に、即興で物語を語ってくれるおばさんが素敵だな。ゆきちゃんとみこおばさんの、関西弁のやりとりが温かい。おばさんは時間の大切さ、嘘をつくことの悪質さをゆきちゃんに教えようとしたのでしょうね。でもゆきちゃんは、それを上回る優しい子だった…。こんな聡明な発想が出来るゆきちゃんが凄い。おばさんも嬉しかっただろうな。最後の文章、おばさんの目を細める姿が目に浮かびます。2021/10/03