内容説明
ぼくのなまえはダニエル。だけど、みんなはぼくのことを「ねずみくん」ってよぶ。もううんざりだ。ぼくは、はやく大きくなって、パパとおにいちゃんと、船でさかなをとりにいきたいんだ。ぼくはくやしくて、テーブルの上にあったクラッカーをぎゅっとおしつぶした。そのとき、ふしぎなことがおこったんだ…。こどもだけど、こどもじゃない、もやもやした少年の気もちと成長の物語。
著者等紹介
ラマルシェ,ジム[ラマルシェ,ジム] [LaMarche,Jim]
アメリカ、ウィスコンシン州生まれ。大学では生物学を専攻したが、在学中に絵を描くことのおもしろさに目覚め、美術の道を選ぶ。日常の世界にファンタジーをもちこんだようなイラストが国際的に評価されている。カリフォルニア州サンタクルーズ在住
藤本朝巳[フジモトトモミ]
1953年熊本県生まれ。白百合女子大学大学院児童文学科博士課程修了。絵本学会理事、JBBY(日本国際児童図書評議会)理事、日本イギリス児童文学会事務局長などを歴任。平和学園学園長。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぼりちゃん(旧 aiaimo`olelo)
25
家族から小さい子扱いされるのが嫌なダニエル。僕はもう大きくなったんだよ!父と兄は漁で海へ出て行くけど、僕はまだ船に乗せてもらえない… 燻る気持ちをつのらせていると、ある日ダニエルに不思議な力が宿ります。『X-MEN』をものすご〜くファンタジーにしたような世界で、日常に降って湧いたドキドキに胸が踊る。僕を認めてほしい…そんな彼の強い願いが呼び込んだ不思議な力。子どもだけど子どもじゃない!そんな少年の揺れる心と成長に、これからの息子を重ねて読みました。 表紙がどこか息子に似ていて、思わず借りてきた絵本。 7歳2022/03/21
ヒラP@ehon.gohon
23
子ども扱いされるダニエルの反発心が、不思議な力を呼び起こしたのでしょうか。でも、どうして「ねずみくん」などと呼ばれたのでしょうか。 以前はそう呼ばれて嬉しかった時もあったということなのですが、愛称と言うにはマイナスイメージが強く感じられます。 最後のシーンで、父親が「ねずみくん」ではなくて、名前を呼んだことが印象的です。 初めて成長を認められたということなのでしょうか。 その後がとても気になるお話です。2021/10/26
遠い日
6
「ふしぎな力」はメタファーかと思っていたら、本物の力でした。ねずみくんと呼ばれて、兄から子ども扱いされるダニエルの悔しさが嵩じて、その昇華の露われか。念ずれば通ずとはいうけれど、兄への対抗心が形を変えたのか。しかし、お父さんはちゃんとダニエルの変化を見てくれていたのが救いです。2022/03/06
river1031
3
2番目の子にはあるモヤモヤなんじゃないかな〜不思議な力が現実的ではないけど、使い道が素直で良い子だなぁと思う。 お父さんは何に気づいたのかな? 男の子が自慢するでもなく満足している辺りが本当に良い子だなぁと思った。2021/11/07
スパナ
3
「ねずみ」というあだ名で兄からもからかわれて、力がないことを馬鹿にされていた少年ですが、ある日、お兄ちゃんにも負けないある力を手に入れます。 その力をひけらかすことなく、困っている事を助けるためにそっと使うところがいいですね。2021/07/31