内容説明
修道院の秘密を知ってしまった、見習い修道女アイラ。秘宝ウパーラの力とは?渦巻く王国の陰謀とは?そして、アイラの目の前に現れたのは…?
著者等紹介
小森香折[コモリカオリ]
1958年、東京都生まれ。ちゅうでん児童文学賞大賞、新美南吉児童文学賞などを受賞
三村晴子[ミムラハルコ]
1985年、東京都生まれ、挿絵画家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
59
サスペンスタッチのファンタジー。読みやすい文章でテンポも良く楽しめました。故郷を逃れて女子修道院にやって来た少女の物語。様々な陰謀が渦巻く中、伝説の龍の存在が明らかになる…。主人公の性格はちょっと好みじゃないけれど、誰が悪人か判らない展開は面白い。ストーリーもこのページ数で良く纏められたと思います。ただ描き切れていない部分もあるので続編もあるのかな。2019/02/22
なななお
19
小森香折さん、「青の読み手」で興味を持ったので、読んでみました。「青の読み手」前の作品なので、よく似たモチーフが沢山ありました。やはり舞台は中世ヨーロッパ似の架空王都。海に浮かぶ修道院に身寄りのない娘アイラは向かっていた。「世界一安全な場所だよ」と彼女を送り出した神父は言っていたが、様々な思惑が渦巻く場所だった。意地悪な先輩や美し過ぎる上級シスターの奸計に翻弄されるアイラ。修道院の薬酒の専売を奪おうとする王侯貴族のスパイ、ジェイドとの淡い恋模様…。これらを組み直してより読み易くしたのが「青の読み手」かな。2022/07/27
Norico
15
モン・サン・ミッシェルを彷彿とさせる、海の上に浮かぶ修道院。安全な場所に逃げ込んできたと思ったアイラだけど、修道院の派閥争いに巻き込まれていく。信用できると思った人がそうでなかったときでも、すごく強いアイラがかっこいい。綺麗で賢い赤いパーラは長い眠りで何か夢をみるのかな。これからの2人の旅もどんなものになるのか読んでみたい。2020/07/21
りるふぃー
10
大好きな『ニコルの塔』初版から13年…まさかまた小森さんの修道院ものの冒険ファンタジーが読めるとは…!!感涙。同じ修道院ものでも、ニコルの塔とはだいぶ雰囲気が違っていて、新しい世界を覗いた感じ。楽しめました。ただ、この物語の世界の歴史では、侵略し滅ぼされたゲール族はどちらかというと悪者にされてる感じ。架空の世界だけど、そこが少し気になりました。2021/07/15
ときわ
7
世界がこじんまりしている印象を受けたが、児童書なので仕方ないのかな。対立する人たちは自分たちを利するように行動しているが、根底には国を良くしたいという気持ちがあるのだと思う。本当の悪人はいなくて、やろうとする方向が違うだけ。何が正しいのかって難しい。だから主人公のアイラに好感が持てた。少ない情報で惑わされることもあったが、アイラは神を信じることなく自分の生き方を自分で決めたから。続編あるのかな?もし出たら読みたい。2019/04/10