内容説明
ルブナのいちばんの友だちは、こいしでした。こいしはいつも、はなしをきいてくれます。かなしいときは、わらいかけてくれます。ひとりの少年が、なんみんキャンプのテント村にやってきていっしょにあそぶようになりました。ルブナと少年とこいし…。やがて、わかれのときがきます。
著者等紹介
メデュワ,ウェンディ[メデュワ,ウェンディ] [Meddour,Wendy]
1975年イギリスのウェールズ生まれ。作家、イラストレーター。オックスフォード大学で英文学の教鞭をとる。2012年“A Hen in the Wardrobe”でデビュー。イギリスの子どもの本の新人作家に贈られるBrandford Boase Awardのショートリストにノミネートされる
イヌュ,ダニエル[イヌュ,ダニエル] [Egn´eus,Daniel]
1972年スウェーデン生まれ。書籍や雑誌のイラストをはじめ、BMW、フィリップモリスなど有数の企業とのコラボや、劇場、テレビなど、幅広く活躍するイラストレーター。過去20年をプラハ、ロンドン、ベルリン、ボローニャ、ローマ、ミラノなどで過ごし、現在はギリシアのアテネに基盤を置いている
木坂涼[キサカリョウ]
詩人、絵本作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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たまきら
37
難民生活は終わらないキャンプみたいなもの。家族みんなで行けるわけでもなく、自分の大切だったものが持っていけるわけでもない。その辛さが少し伝わったでしょうか。二人で読み終わったあと、歯を磨きながら自分で読み直していました。2019/12/12
gtn
31
難民のルブナにとって、小石は希望の象徴。それを同じ仲間の少年に譲ったのは、また会えるとの確信があったから。2020/02/13
ヒラP@ehon.gohon
23
いろんな悲しみを背負って難民キャンプにやって来たルブナにとって、その小石は心の支えでした。 父親の他、知っている人のいないルブナにとって、自分のことを話せるのはその小石だけ。心の捌け口の存在としての小石は、母親であり、親友だったのでしょうね。 その小石を共有できた、孤独な少年アミールとのふれあいも輝いていました。 別れの時にしたルブナの行動には心打たれます。 説得力のあるお話と絵でした。2019/05/19
魚京童!
22
これは難しい。どれが正しいのかわからない。正しいかすら。言葉にできない。そうすると感想にならない。ただの意見だ。もちろん人間として最低の条件でも生きられることに喜びを見出すべきだけど、難民キャンプって行ったことないからわからないけど、人の棲むところじゃない。でも国家として万人の万人に対する闘争から脱却した後、先制攻撃は認められている。私が生きる今がいる。怪しい企てをするやからは速やかに排除するべきだっていう意見は間違っていない。でもこうしてルブナが生まれて、困惑する。本の素晴らしさは勝った者の歴史以外があ2019/04/22
Cinejazz
20
〝これは、難民キャンプにやって来た<ルブナ>という女の子のお話しです・・・ルブナのいちばんの友だちは、まあるいスベスベの小石でした。ある晩、ルブナの乗っていた船が、浜辺に着いたとき拾った小石です。父さんと二人っきりのルブナは、小石を抱きしめて眠りました...ルブナは小石に何でも話しました。お兄ちゃんのこと、生まれた国のこと、戦争のことを・・・。やがて、ひとりの少年がテント村にやって来て、仲良く遊ぶようになりました。 ルブナと少年と小石…。そして、別れの時がきます・・・〟子どもの姿が切なく痛々しい絵本。2023/12/09
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