内容説明
300年近くも前、サイがまぼろしの動物だと思われていた時代にヨーロッパ中を旅したサイがいました。名前はクララ。絵のモデルになったり、歌がつくられたり、“サイ風”ヘアスタイルに、“サイ風”ドレスも大はやり。クララは、みんなの人気者です!
著者等紹介
マッカリー,エミリー・アーノルド[マッカリー,エミリーアーノルド] [McCully,Emily Arnold]
1939年アメリカ・イリノイ州生まれ。ニューヨークのガーデンシティで育つ。コールデコット賞を受賞した『つなのうえのミレット』(文渓堂)や、『ラスコーの洞窟』(小峰書店)などで絵本作家として高く評価されている。ニューヨーク在住
よしいかずみ[ヨシイカズミ]
1968年山梨県生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒業。百貨店勤務ののち、通信・通学で翻訳を学ぶ。やまねこ翻訳クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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日曜日のクマの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
34
本当にあった、おだやかなサイと一人のヨーロッパ人の長くすこしさびしい旅のお話です。クララが幸せだったかは微妙だけれど、人間の身勝手な愛情を広い心で受け止めてくれたこのサイが、日々を楽しんだことを願います。2019/05/16
Cinejazz
24
〝300年くらい前の昔のこと、海の向こうに住む人々の暮らしなど、見当もつかない頃のこと。オランダ人船長<ヴァン・デル・メール>は、インドの友人から譲り受けた<クララ>という雌のサイ(体重2㌧、高さ1㍍80、胴回り3㍍50)を船に積んで母国に帰ってきた…。ヨーロッパでは、サイは幻の獣だと信じられており、本物のサイを見世物にすれば大儲けができると算段し、当時の神聖ローマ帝国、オーストリア、スイスやフランス、イタリアなど17年もの間に各地を巡回して、人々の心を虜にしてきた…。そんなクララの旅は、↓2025/07/21
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
18
実話の絵本化。300年ほど前ヨーロッパではサイは幻の生き物でした。サイのクララはヴァン・デル・メール船長と出会いあちらこちらと大旅行をしました。クララの大人しく気高い姿に人々は歓喜したそうです。 2019/05/01
ケニオミ
17
クララなんて、上品そうな名前ですね。サイにしては。その名のサイについての300年前の実話です。インドから連れて来られ、見世物としてヨーロッパを巡業したサイです。小さいときから飼い慣らされて、余程おとなしいサイだったんでしょう。飼い主とは特別親しい関係で生涯を通したとのことです。ところで私、大学時代に「Rhino(サイ)」クラブに入っていました。本当かどうかは分かりませんが、サイはまぐわうとき以外は単独行動をするということで、孤高の独身者クラブです。いつ脱会したかは覚えていませんが、現状では除名でしょうね。2017/03/16
ヒラP@ehon.gohon
16
サイという動物は、動物園でもそれほど脚光を浴びる存在でもないように思っていました。 おとなしいとかやさしいとかというよりも、よろいを身につけて突進していくような、荒々しいイメージがあったので、とても意外な感じがしました。 ヨーロッパを巡業して回ったクララはしあわせだったのでしょうか。 当時の文化に影響を与えたことは理解できたけれど、そっとしておいてあげた方が、クララにとって良かったようにも思いました。2017/12/30