内容説明
少年マンスールは、オマーンの山にくらしています。山のふもとに、やつめやしの木がありますが、実がなりません。メスの木なので、オスの木がなければ実をつけることができないのだそうです。「それなら、あの木におむこさんがくればいいんだね!」
著者等紹介
市川里美[イチカワサトミ]
岐阜県大垣市生まれ。1971年、旅行で訪れたパリにそのまま移住。その後独学で絵を学ぶ。こどもの世界をあたたかく、生き生きと描き、世界で出版された絵本は70冊を超える。『春のうたがきこえる』(偕成社)で講談社出版文化賞絵本賞、『はしって!アレン』(偕成社)で第28回サンケイ児童文化賞美術賞など、受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
14
必死の思いにすべてが味方してくれる。2021/09/02
いっちゃん
11
まだ小さな子供が山を越えて、なつめやしのお婿さんを連れてくる。大変な思いをした以上の成果に、みんな納得。2016/11/11
ヒラP@ehon.gohon
10
メスの木だけでは実を結ばないというナツメヤシの木の、相手をもらいに遠い山のふもとまで出かけるマンスールとロバのハムザの大冒険です。 ハムザに水も食料も食べられてしまったマンスールですが、それでもひるまない姿に逞しさを感じます。 たどり着いた地で、交換のためにと持って行ったコーヒーポットを湖に落としてしまい、ドキリとしましたが土地の所有者は意外にいい人でしたね。 オマーンの風土や暮らしを知るばかりではなく、ナツメヤシがどのようにして発展してきたかとてもわかりやすく描かれていました。2016/10/03
遠い日
10
今度はオマーンの子どもを主人公にした市川さん。また旅に出て、取材を重ねたのでしょうか。ナツメヤシはオス、メス揃わないと受粉せずに実をつけないことを知った少年、マンスール。子どもにすればけっこう苛酷な冒険旅行のように思えます。家族のために、どうしても手に入れたいオスの木を求めての行程にはらはら。おじいさんに真意が通じてよかった。木の成長と家族のその後がわかるラストもすばらしい。2016/09/25
舟江
9
翻訳本かと思ったが、バリ島に移住している日本人の手による物であった。少し地味だが、しっかり書かれている。2020/11/05