内容説明
大阪国際児童文学振興財団主催、第31回日産童話と絵本のグランプリ絵本大賞受賞作品。
著者等紹介
たなかやすひろ[タナカヤスヒロ]
田中泰宏。1968年東京に生まれる。東洋美術学校卒業。2006年より絵本の創作を始める。第5回MOEイラスト絵本大賞、第32回・第36回講談社絵本新人賞佳作、第29回日産童話と絵本のグランプリ佳作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gtn
20
引け目が勝手に世界の果てを作っていたのかもしれない。思い切って勇気を出した瞬間、その果ても乗り越え、友達との距離も消滅してしまった。2020/03/28
ヒラP@ehon.gohon
19
どちらかといえば活発そうなハヤシ君とゲンちゃんと、どちらかといえば内向的な少年との距離感に、少年時代の精神的な成長過程を見ました。 工事現場の立ち入り禁止の柵を、世界の果てと呼ぶ少年は、そこに内面への扉を作ったようです。 でも、それは同時にまだ見たことのない、現実的な未来への扉だったのです。 扉を越えて未知の世界に飛び出す少年が、とても輝いて見えました。 大人になってみると、小さな一歩がとても大きな一歩だった時代。 誰もが乗り越えていくものがあるのですね。2016/03/09
いろ
18
落ち着いたトーンのお話で,低学年以下には分かりづらいかと思ったけど,未知の「向こう側」を空想したり,大好きな自転車で「冒険」する流れがいいのか,8歳男児も何度か読んでいた。空想の恐竜や城や未来都市と,実際の屑鉄処理現場と工場と川辺のビル群の絵,それぞれを見比べながら,「これが恐竜で,これがお城の塔で,…」と「ぼく」にシンクロして想像してみる息子^^ だけど,ラスト「たんけんに ぴったりの道」は,川沿いのものすごく幅広な真っすぐの道だったので,「探検っていうなら,細くて入り組んだ道だよねぇ。」と親子で苦笑。2016/07/05
麦焼酎(ミユキ)
17
ここまでだと自分で線引きしていた一歩を踏み出して新しい世界へ行きましたが、そこは想像と違って・・・・頭の中と現実は違うけど、ちょっと踏み出せば出来ることもあるんだと、息子にもこの気持ち、持ってもらいたいな。2016/02/27
遠い日
17
絵もすばらしいが、物語の結構がよくて読み応えがある。少年の日々。友だちとの意識のずれ、ひとりで遊び、空想する時間から一歩踏み出すまでの逡巡、世界と繋がったという感覚。子どもの凝縮された心の襞が、健気でいじらしい。世界の広がりを空想ではなくリアルに掴んだと感じる気持ちの表現が、すばらしい。2016/01/30
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