内容説明
きいろい、いっぽんのかさ。灰色にけむる雨の日、きいろいかさは、あかいかさにであう。そして、あおいかさ、みどりのかさ…。こころをひらき、雨のそとにでてみよう。かろやかなリズムが、どこからかきこえてきませんか。絵本を読んだあと、音楽をきいてみてください。また、ちがった世界がひろがることでしょう。あふれる色とリズム―韓国からやってきた美しい絵本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
145
文字のない絵本。上からの視点に惹きつけられる。一本の黄色い傘に青、赤、緑…といろんな色の傘が加わり想像が膨らむ。雨の音とざわめきが聴こえてきそうな一冊でした。2020/07/15
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
106
灰色に煙る雨の朝。空からの視点。黄色い傘は青い傘に出会う。やがて赤い傘、緑の傘と色とりどりの傘の輪は広がっていく。橋を渡って、ブランコの脇を通り、踏切では重なり合って、まるで花が咲いたよう。作者が中学で美術教師をしていた頃の風景がモチーフになっているという文字のない絵本。文字の代わりに音楽が添えられている。付属のCDには絵の場面と同じ数の13のピアノ曲が収録。ドミソを基調にした軽やかな旋律は雨音のようだったり、雨の中を友だちと歩く楽しげな足音にも聴こえる。今の季節にぴったりの絵本。2010年6月初版。2016/06/16
momogaga
78
【大人こそ絵本を】表紙に惹かれて思わず手に取りました。文字が無いので中にストーリーを作れます。傘がコンツェルトを奏でるイメージが浮かんできました、遥か昔に観た「シェルブールの雨傘」を思い出しました。どちらもシークエンスがすばらしい。2017/01/14
ケニオミ
13
絵だけの絵本。文字通りの絵本。ほぼ全てが、表紙のように、道路を真上から描いた絵で成り立っています。それも主人公は黄色い傘と色とりどりの傘。頁をめくっているだけでなんだかワクワクしてくるから不思議です。傘越しに子供たちの賑やかさが伝わってきそうでした。本当によくできた絵本です。お薦めします。2014/12/20
ヒラP@ehon.gohon
12
少年が小学校に着くまでの物語ですが、この絵本は音楽で物語を語ってくれます。 言葉は全くないのですが、13の場面ごとにピアノの音楽が情景を語ってくれます。 絵とピアノのみごとなコラボレーション。 リュウ・チェスウさんの絵と物語から受けたイメージでシン・ドンイルさんが曲をつけていますが、聴く人、見る人それぞれに物語のイメージを自由に膨らませていきます。 13曲の後に、全体の物語曲が収録されています。 音楽の授業の取り組みにとても面白い本かと思いました。2010/09/26