内容説明
長い道をぬけ、だれも通らないような崖をすぎ、わたしが行き着いたさきは、海辺にたつホテル「ラストリゾート」。扉をあけると、いきなり、鳥の声がひびきわたった。「迷いびとのかた!宿帳にお名前を!」想像力をなくした画家が体験する、不思議なリゾート・ホテルの物語。2003年ボローニャ・ラガッツィ賞フィクション部門特別賞作品。
著者等紹介
インノチェンティ,ロベルト[インノチェンティ,ロベルト][Innocenti,Roberto]
1940年イタリア、フィレンツェ近くの小さな町に生まれる。13歳のときから鋳鉄工場で働き、家計を支える。専門的な美術教育をうけることはなく、独学でイラストレーターの道にすすむ。アニメーション、映画や劇場のポスター、本のデザイン、挿絵などに携わる。2008年に国際アンデルセン賞画家賞受賞。『ラストリゾート』で2003年ボローニャ・ラガッツィ賞フィクション部門特別賞受賞
ルイス,J.パトリック[ルイス,J.パトリック][Lewis,J.Patrick]
1942年生まれ。1998年まで経済学の教授をつとめた。また、詩人、絵本作家としても活躍し、子供に向けた作品は50を超える。アメリカ、オハイオ州在住
青山南[アオヤマミナミ]
福島県生まれ。早稲田大学卒業。翻訳家、エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
85
想像力を求めて集まってくる旅人たちが集うホテル。釣り好きの男の子、片脚の船乗り、白いドレスの女、書き続ける俳優、不思議な過去をもった背の高い謎の男、警視、飛行士、木の上に座る紳士、白い鯨、詩人、風車の二人組、絵描き。みんな何かを探している。それは想像力という虚構の世界。サン=テクジュベリしかわからなかったけど、たくさん物語を読んで、また戻ってきますラストリゾートへ。著者ロベルト・インノチェンティはイタリア人。2008年国際アンデルセン賞画家賞受賞。この本で2003年ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞受賞。2020/08/07
あたびー
40
想像力がなくなってしまった絵描きはそれを探す旅に出る。ガソリンが尽きる頃海辺のホテルにたどり着く。そこには不思議なお客が次々と…逗留しているお客の解説は巻末に掲載されています。様々な人が何かを求めてホテルにやってきては、何かを見つけて帰っていくようです。暖かいタッチの細かく描きこまれた絵は、隅々まで味わいたくなります。2022/11/06
gtn
39
誰もが自分を取り戻すための旅が必要。そこで何かを見つけたら、また現実に戻って行く。その繰り返し。2020/09/29
seacalf
35
表紙の絵に惹かれて手に取ったが、中身も大満足。異世界じみたリゾート・ホテルにはお話に出てくる有名人がたくさん集ってくる。個人的にはイタロ・カルヴィーノの作品に出てくるあの人が登場していて、思わず大興奮。ミステリアスな雰囲気と絵がマッチしていて、夢に出てきそうなくらい引き込まれる。何度も読みたくなる絵本。2016/10/29
小夜風
29
【図書館】想像力をなくした画家が行き着いたさきは、海辺にたつホテル「ラストリゾート」。そこへ泊まりに来るのは、有名なお話から抜け出てきたあの人やこの人。あとがきにどの物語の誰か書いてありますが、全然知らなかったり、タイトルは知っていても読んでなかったり…でも充分に楽しめました♪この絵本を読んでからそれらの物語を読むのも楽しそうです♪何といってもロベルト・インノチェンティの絵が本当に素敵です。そして主人公の画家は彼自身♪2014/06/02