内容説明
建軍を巡る闊達な論議の渦中、防衛と労働の結合をトロツキーは構想する。武装せる共産主義人民を目指す党内論争ドキュメント。
目次
序 社会主義赤軍の創設(H.ヘルクマン)
労働者=農民赤軍の組織に関する布告
ロシア共産党第八回大会
軍隊の建設(スミルガ)
ロシア共産党第九回大会
ロシア共産党第一〇回大会
赤衛隊から赤軍へ(藤本和貴夫)
感想・レビュー
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Toska
9
革命直後の混乱が続く中、将来における軍のあり方をめぐってボリシェヴィキの幹部連が行った論戦の記録(共産党大会の議事録や論文など)。全体としては、指揮官選挙制など「軍隊の民主化」に歯止めをかけ、志願制から徴兵に移行、目玉であったはずの常備軍廃止と民兵制導入にも否定的な見解が示される等、赤軍を既存の軍隊に近づけていく流れがよく分かる。これら全てが「プロレタリア階級を守る軍隊は強くなくてはならない」との理論で正当化された。当時の「階級」はマジックワードそのものであることを実感。2023/11/01