内容説明
中学時代、ひどいいじめにあっていたボクは、素人番組に登場したことをきっかけに、芸人の道を目指していた。女性と付き合った経験があるわけもなく、25歳のいまも童貞のままだ。ボクが近づくと、女性は不快な気持ちになるだけ。その思い込みは女性への恐怖心ともなっていた。そんなボクに優しく微笑みかけてくれる女性が現れた。「私には友だちがいないんです。私と友だちになってくれませんか?」。
著者等紹介
中沢健[ナカザワタケシ]
1981年、茨城県生まれ。歩く雑誌・月刊中沢健として多くのバラエティ番組やライブなどに出演。関根勤氏からは日本のバカトップ3に選ばれるなどの活躍を見せる。大の怪獣オタクであり、2006年より月刊誌『フィギュア王』(ワールドフォトプレス)にて、怪獣コラムを連載中。2008年には自身がデザインしたオリジナルキャラクター「中沢怪獣軍団」がUFOキャッチャー用の景品として展開される。2008年には「講談社BOX新人賞・流水大賞」にて、長編小説「恋愛小説を書く男」が、「あしたの賞」を受賞するなどの評価を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ましゅまろ
11
図書館本。タイトルに惹かれて。売れない芸人(子ども時代にいじめを受けた経験があり、友達少なめ)に初めて女友達ができるお話し。どんな初恋物語なのかとわくわく読み始めてみれば、主人公の感情の動きがとてもリアルで、引き込まれました。ラストが切ないですが、市川さんの気持ちもわかるなぁ。2015/04/05
自然堂
6
市川やツチノコとの交際を通して吐露する佐藤自身の葛藤がリアルでくるものがあった。多寡はあれど誰もが心の奥底に持っている感情を、誰よりも的確に表現していた。自分の人生というのは作家にとって畑の肥しの様なもので、それを使って畑を耕し、育った収穫物を世に出すのが執筆活動だと思う。だがこの作者はその肥料をそのまま世に出してきた。濃い内容ではあったが、この先もこれで続くのかな、という危惧はある。最後の漫才は切なかったが、その切なさがピークを迎えたのはその後の市川の独白だった。人の心ってのはままならないもんだね…。2010/05/30
いがぐり君
5
初恋と聞いて連想する甘い響きを木っ端みじんに壊してしまうような衝撃作。 しかし綺麗事を一切排除して恋愛を描くというのはこういうことなのかも知れません。 大槻ケンヂがこの本の帯文に書いていた最高にピュアな恋愛小説っていうのはすごい納得。 ピュアとか純情ってのは本来すごく切ない物なんだよね・・・。これを読んじゃうと世間に溢れている純愛小説とかドラマとかが馬鹿馬鹿しく感じられちゃうな・・・。 2010/02/26
アキ
4
ドラマになっているので読みました。思春期のいじめは心に深い影を落とすもの。初恋は厳しい結果になったけど、わたしは佐藤君を応援したい。ツチノコさんが ドラマで小堺一機。ものすごく合ってる。2016/03/05
何処へでも行ける兄貴
4
読む間から軽くあらすじを知ってから期待して読みました。期待が大きかったのだが実際読んでみたら期待以上でした。主人公の思考と自分が面白いくらい重なった。本当に、馬鹿みたいに純情。自分もこんなに純粋な気持ちで本を読んだのははじめてなくらい。いっきに読んでしまいました。素晴らしい作品でした!!2013/12/05