内容説明
ショパン国際ピアノコンクールで“ポーランド批評家賞”を受賞!これは本当にあった感動の物語です。
目次
第1章 ショパンに、聴いてもらいたくて(僕、ショパン・コンクールに出たい!;強運で引き当てた「ソナタ第3番」 ほか)
第2章 プロへの階段(コンクール中なのに踊っちゃった;二度とコンクールには出たくない! ほか)
第3章 のぶカンタービレ!(「人を幸せにする演奏ですね」;弾いていることが楽しくて仕方がない ほか)
第4章 ショパン・コンクール・セミファイナル(やはり無理だったか…;奇跡を呼ぶか?伸りんダンス ほか)
第5章 巣立ち(近づく巣立ちの時;お寿司をお腹一杯食べられるように ほか)
著者等紹介
辻井いつ子[ツジイイツコ]
1960年、東京に生まれる。東京女学館短大卒業後、フリーのアナウンサーとして活躍。86年、産婦人科医の辻井孝と結婚。88年に生まれた長男・伸行が生後まもなく全盲とわかり、絶望と不安のなか、手探りで子育てをスタート。持ち前の積極性と行動力で伸行の可能性を引き出した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
51
図書館で読。ユーチューブでのシリーズをひょいを見てから、通し、繰り返し視聴。いつ子さんの感慨と高まって行く想いが熱く押し寄せる。挿入されるノブ君の演奏レベルのアップ感も感涙。本で再度、触れました。さらっと読める。お母さんとノブ君のやり取りの中、ノブ君に「視えない」ことの痛みを思いやる時「僕はピアノが弾けるから」といった箇所・・頭に衝撃が走った。パラでも燃え上がる障がい者の想い・・人にはできても私は無理・・というのは普通。そこを乗り越えられるのは簡単でないと思いつつ、ノブの在り様は勇気を与えてくれる。2021/07/26
ぶんこ
50
「譜面が見られないのに、どうして演奏できるのか?」を知りたくて、ピアノの先生が2人がかりで右手と左手のみでの演奏を録音し、それを聴いて練習する」とありました。生まれながらに盲目と知った母の気持ち。1歳半でピアノを弾いた息子に即ピアノの先生を探したという「閃き即アクション」がモットーのお母さんが凄い。子供の才能に気づき、より良い出会いを開拓し、なおかつ学生としての普通の生活、行事、旅行、美術館等々、体験する機会に躊躇しなかったのも立派。「大好きなお寿司を自分の稼ぎで腹一杯食べられるように」と涙する父も立派。2020/04/11
Tadashi_N
34
できないことにクヨクヨしない。できることを伸ばす。優勝したのは、アメリカのコンクールだった。2020/07/22
chie-don
24
先日短い時間だが、辻井伸行さんのピアノとオーケストラの演奏を聴く機会があった(・∀・)私は無芸大食で音楽の素養も全くないのだが、くっきりした音のつぶつぶ、透明で美しい調べ、曲と一体になって大きく体をゆすりながらの演奏は素晴らしかった♪本書は、信行さんの幼いころの音楽との出会いから17歳でのショパン・コンクール挑戦をメインに、お母様との二人三脚の歩みがつづられている。機会に恵まれ、先生方に恵まれ、本当に強運の持ち主なのだなぁ。レッスン代、遠征代、防音室の建設費、経済的に支え続けたお父様の言葉に心打たれた…2019/10/09
マイケル
23
以前読んだ本「今日の風、なに色?―全盲で生まれたわが子が「天才少年ピアニスト」と呼ばれるまで(辻井いつ子著)」 の続編。本作は「批評家賞」を受賞した2005年第15回ショパンコンクール出場の話がメイン。視覚障害あっても個性を伸ばす教育を、閃き即アクションという母親の決断と行動力そして指導者との縁。音楽・演奏会の話がほとんどなので全盲の子の子育てという苦労の側面は前作ほど現れていない。 本書を読むと以前読んだ本「つくられた障害「色盲」(高柳泰世)」に書かれている進学・就職差別の酷さを痛感。2021/04/25