内容説明
高級料理の世界でも最も素晴らしく、最も珍しく、最も貴重な食材と言われる「トリュフ」。地球上で最も高価なキノコを取り巻く謎に満ちた世界に引き込まれずにはいられない、スリル満点のノンフィクション。
目次
第1部 畑・泥棒(黒いダイヤの盗賊;林の中の死体)
第2部 研究・秘密(黄金の秘密;科学の謎)
第3部 森・妨害工作(消えた犬;毒)
第4部 市場・偽装(仲介業者;警察官と詐欺師;王国の隆盛;王の裏切り)
第5部 料理・誘惑(注文、輸送、調理;スライス)
著者等紹介
ジェイコブズ,ライアン[ジェイコブズ,ライアン] [Jacobs,Ryan]
ルポライターとしてアトランティック誌やマザー・ジョーンズ誌などに執筆するほか、パシフィック・スタンダード誌では副編集長を務め、率先して調査を行う。アトランティック誌では国際犯罪を取材し、とりわけフランス史上最悪のダイヤモンド強奪事件、国際炭素市場における詐欺事件、そしてトリュフ取引の暗部についての記事を発表した。ノースウエスタン大学メディル・ジャーナリズム学院卒業
清水由貴子[シミズユキコ]
上智大学外国語学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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R
27
トリュフの美味しいお話かと思ったら、その取引にまつわる闇というか、ヤクザな世界を紹介した本でした。ともかく魅力的な食べ物なんだろうが、それをとる方法が相当にアナログなうえに養殖がきかない、必然的に天然ものの争奪戦が繰り広げられているというお話。ニセモノの横行や、トリュフ犬を盗んだり殺したり、大手メーカーの悪事だとか、様々な話が詰め込まれていて面白かった。食べることがあるのかわからんが、自分の口に入るのは偽者じゃないかなと思わされるそれでありました。2021/01/19
マイアミ
3
★★★ トリュフの採取や取引、栽培や歴史を巡るノンフィクション。トリュフにまつわるダークサイドがこれでもかと出てきて唖然とした。トリュフ界では名の知れた企業が平然と産地偽装を行っていたり、トリュフを採るため訓練されたトリュフ犬の失踪、誘拐、毒殺が行われている現状があった。イタリア・アルバ産のトリュフの収穫量ではアルバ産として売られている製品をカバーできないという笑撃の情報も。きっと日本人が口しているトリュフも違法性があるのだろう。そもそも本当に本物のトリュフなのかすらも怪しい。私は食べたことはないが。2020/08/16