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内容説明
明治に生きた著名な教育家といえば、福澤諭吉の名前が浮かぶ。その諭吉に比べて桃介の業績を知る人は意外と少ない。福澤桃介―福澤家に見込まれて婿入りした人物。それだけでは、あまりに単純である。眉目秀麗にして大胆不敵。福澤家に頼ることなく、己の力で相場界・実業界で成功し、関西電力の礎を築き、名古屋発展を導いたほどの豪傑。貧家に生まれながらも数々の輝かしい実績と武勇伝を残した男が語るお金と仕事の流儀とは。
目次
第1章 我が処世観
第2章 羨むなかれ世のいわゆる成功者
第3章 金儲けは株にあり
第4章 憎まれて嫌がられて世を渡れ
第5章 どうすれば金持ちになれるか
第6章 出世の秘訣
著者等紹介
福澤桃介[フクザワモモスケ]
明治元年、埼玉県生まれ。旧姓岩崎桃介。慶應義塾在学中に福澤諭吉の養子となり渡米。帰国後に福澤房と結婚。北海道炭礦鉄道に勤務するも肺結核を患い闘病生活に入る。その際に始めた相場でのちに数十億円もの資金を得る。その後、本格的に実業界に進出し、木曽川の流域を開発など、おもに電力事業に従事。その功績から、「日本の電力王」と称される。昭和13年、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
耳目之学(不定期更新中)
3
【3回目】 橘玲の『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』と『「黄金の羽根」を手に入れる自由と奴隷の人生設計』の2冊を読んだ後、無性に読みたくなったので再読しました。橘玲は残酷な現代社会で真の自由を手に入れるために、福澤桃介はまず独立・自尊を勝ち取り、そして社会を変革するために資産運用の大切さを説きました。両者の志は異なるといえども、やはり何をするにも先立つモノは「軍資金」であり、貯蓄と効果的な資産運用が不可欠なようです。そういえば本多静六も「4分の1貯蓄法」を勧めていましたね。2011/07/06
耳目之学(不定期更新中)
3
【再読】 貯金の大切さを説いています。職場で自分の意見を通したり、権力を持つ上司に立ち向かうときにネックとなるのが「お金」です。例えば給料を減額や降格、左遷、解雇など自分の家計に悪影響を与えられる可能性があります。特に家族がいる場合は深刻な問題です。そういう時、ある程度の貯金があれば気にせず自分の道を進むことができます。そのためには徹底的に節約し、貯めたお金を積極的に投資して殖やさなければならないと筆者は力説しています。しかも単なる節約・投資術ではなく、人生観とからめて論じています。間違いなく名著です。2011/06/13
耳目之学(不定期更新中)
3
書店に山積みにされている「お手軽」お金儲けの本と違い、お金とは何か、幸福とは何かというような著者の人生観が述べられています。これが古典的名著として本書が名を残したゆえんであろう。この点で本多静六シリーズに通ずるものがある。両者の共通点は、お金は大切さを説く半面、お金の空しさについても説いている点である。本多は人や社会を暖かいものと捉えている対して、桃介は冷めた目で見ている。モノの見方は多少異なるとはいえ、両者が至った結論は似通っているようだ。お手軽本が売り上げを伸ばすなか、今こそ古典的名著に目を向けよう。2011/06/11
pacino
2
福沢諭吉の婿養子、桃介の本。投資や蓄財方法は勤労と節約、逆張り投資。至ってシンプルで本多静六と同じ。簡単に金儲けするのはつまらない、その過程を楽しむもの、と言うのはバフェットの発言にも通じる。投機で財を成したあと、インフラ事業に注力。今ここまで日本が安定した暮らしをしているのもこのような先人達のおかげなんだと感じる。現在は老朽化したインフラをどの様に維持、補修していくのかといった事が課題だな、などと考えつつ、投機に精を出そう。2020/06/14
真魚
1
この方は、日露戦争の相場でノコギリ商法をやったことで有名だが、その実務的詳細を求めてやまない。が、本書にそれはなかった。実際に当時の相場を調査すると、壮絶な上りと下りがドカンドカンとしている。その上りと下りを手掛けるには、極めて高度な投機技術が要ると感じているが、本書に書かれているのは専ら起業投資的視座と言って良い。個人的にはとても不満足な本である。2012/09/04