内容説明
結婚式以来、八年ぶりに見た夫はみだらな女性を膝の上に座らせた、まさに堕落した公爵と呼ばれる姿そのものだった。だが、そんな夫を見てもジュリアに嫉妬の気持ちはない。怒りを感じるだけだ。なにしろ夫が結婚生活を放棄して国を出ているため、彼のいとこに手当てを削られたジュリアの生活は困窮する一方なのだから。このままでは、近いうちに路頭に迷ってしまう。公爵家の正式な跡継ぎを産まないかぎり、夫のいとこに公爵位も奪われるだろう。困り果てたジュリアが考えたのは、高級娼婦の振りをして夫を誘惑し、妊娠しようというもので―。
著者等紹介
シュープ,ジョアンナ[シュープ,ジョアンナ] [Shupe,Joanna]
ゴールデンハート賞の2013年度ベストヒストリカル部門を受賞。ふたりの娘と、夫とともにニュージャージーで暮らす
小桑みお[コクワミオ]
実用書からロマンスまで幅広い分野の翻訳を手掛ける。ロマンスはヒストリカルが中心(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
18
親に強制された結婚から逃げ出し、8年間も遊び暮らしているろくでなし公爵にわけもわからず見捨てられ、四面楚歌の状態で暮らしている妻が、(子供だけでもほしい!)と娼婦直伝の技を身につけ夫を誘惑しにイタリアまで乗り込んでいく…という笑っていいんだか憐れんでいいんだかわからないロマンスです。本当は愛に飢えて怯えているろくでなし男子の変貌をば~かめ、と鼻で笑いつつ読むところに面白さが。親友男子のなんと素敵なこと。こっちが早く読みたいな。2016/05/30
じょう
13
結婚直後から妻を放置する夫に、高級娼婦になりすまして近づき誘惑するヒロイン。よくある設定&著者の処女作というので期待していなかったのですが、面白かった!ヒーローの妻に対する態度に腹が立つのですが、ヒロインの幼馴染でもあるヒーローの友人が真っ向から指摘してくれているのでスキッとします。その友人達の続編も楽しみです。2016/03/27
まみ子
7
八年間も離れて暮らしていた夫に正体を隠して跡継ぎをつくるために会いに行くヒロインがすごいです。すれ違いの間のヒーローにはイラッとしますが、子供にこっそり会いに行ったり可愛いところもあったので楽しめました。2016/03/10
すっちゃん
5
⭐️⭐️⭐️色々思うが、ニックが優しく椅子をゆらして娘をあやしている姿には温かい気持ちに2017/04/08
romance_holic
3
ヒロインは経済的に追い詰められて、生き延びるためには好きでもない相手の愛人になるか、自分には見向きもしない夫と世継となる子どもを設けるかという究極の選択をせまられて…。 嘘をつけば報いがあるもの。ただ彼女が悪いわけでもないことで咎を負わされ、嘘のしっぺがえしがかえってきて同情しちゃいました。 一方、だまされたヒーローが怒るのは好きだから。無理もないねとも思うし、そもそも自分の恨みを関係ない妻にぶつけていただけという状況はいいわけの余地もないわけで。 どっちもどっち! すごく引き込まれた作品でした。2015/11/25