内容説明
バチカンに命じられて死んだエチオピア人の全身に散らばる奇妙な傷を調べていくうちに、聖十字架の木片―リグナム・クルチス盗難事件へとつながったが、謎は深まるばかりで一向に明らかにはできない。いったい誰が、なんの目的で聖異物を奪っているのか。難解な謎に次々に直面するオッターヴィアたち三人は、ダンテの『神曲』が暗号文だと気がついた。煉獄篇に書かれる七つの大罪の贖罪が謎を解く鍵だと解釈し、忌まわしき罪で知られた七つの都市で、七つの試練に直面することになった。しかし、過酷すぎる試練の連続は、三人をさらなる謎へと導いて…。
著者等紹介
アセンシ,マティルデ[アセンシ,マティルデ] [Asensi,Matilde]
スペインのジャーナリストで作家。本国では冒険小説の女王と呼ばれる
岡本ゆみ[オカモトユミ]
静岡県生まれ。児童文学やロマンスの訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nat
34
図書館本。上巻の初めはガチガチの修道女だったオッターヴィアが、最後はしがらみから解き放たれていく。最近の世界情勢から宗教ってなんだろうと考えることが多い今日この頃。冒険小説だけど、歴史や宗教などについても考えさせられた。蛇足だけど、ロックの過去も知りたいなと思ってしまった。2024/02/19
星落秋風五丈原
18
世界各地で聖十字架が盗まれる謎を追う男女3人がいろんな所に落っこちたり溺れたりするうちに気を失い、気がつくと体にスカリフィケーション(傷)が出来ている!こんな冒険イヤだ!ヒロインは家族の秘密に気付いて動揺するも新たな恋に慰められてハッピーに。それにしても39歳で男性の過去に嫉妬するのかオッターヴィア?修道女だから?それにしては感情が激しいのは、やはりイタリア人女性だからか。2015/01/06
みろ
4
これはまさに木乃伊とりが木乃伊にな話だった~冒険してたらいつのまにかファンタジーロマンスに転がってたよ。2015/05/14
ナナメ
3
最後の最後に訪れる驚きの展開に唖然とするも、「マァ~ハッピーエンドなら何でもいいや」と素直に喜び受け入れられました。隔絶されたエデンの園が、魅惑的で夢想させられる描写であることから、楽園や地獄も心の持ちようと古くさい教えに回帰してしまいました。2014/12/23
うさぎ
2
どう言う終わり方するのかと思っていたのだけど、そうだったのかー。ダンテの神曲はいつも挫折してしまい読んでないのだけど読もうかな。2016/11/21