内容説明
遅れてきたモダニスト、ウィリアムズ、E・P・トムソン、ピーター・フラー、石牟礼道子、ユージン・スミスらが政治と文学を両輪にして動かそうとした「現実」と、彼らが到達したかった「現実」とを明らかにする!
目次
第1章 モダニズムはいつだったのか―モダニズムの政治を定義する
第2章 レフトと呼ばれたモダニストたち―一九三〇年代と四〇年代、もうひとつのモダニズム
第3章 ニューレフトと呼ばれたモダニストたち―一九五〇年代の国際情勢とイギリスの「文化・政治」動向
第4章 未検証の現在のために―一九六〇年代、ポピュラーになるために
第5章 一九六八年の新旧ニューレフト―『ニューレフト・レヴュー』とモダニズムの政治
第6章 「一九六八年伝説」の周縁で―地方都市とモダニズムの政治
第7章 始めること、その意図と展望―一九七〇年代のモダニズムの政治
第8章 一九七九年~八八年、モダニズムの危機―サッチャーの時代を迎えて
著者等紹介
山田雄三[ヤマダユウゾウ]
1968年、熊本県生まれ。大阪大学大学院言語文化研究科准教授。専門はイギリスのカルチュラル・スタディーズおよび初期近代演劇(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
111
オーウェルらを評したウィリアムズらや同時代人の論説など。ワードとして、レフト、ニューレフト、モダニストをおさえておかないと理解が難しい。あとがきで紹介されたブレカーの言葉は今の私たち(令和時代に生きる人)にぴたりと当てはまるようにおもう。「今日のネオリベラリズムが推奨する個人観にとって、個人の選択はかつて例をみないほど支配的な構成要素となった。つまり何を選択するのかは考慮に入れなくても、選択するという行為さえ個人に与えられれば、それな現実的でいいことと見なされる」見極められなくなり、暴走が始まれば…。2021/10/07
ノーマン・ノーバディ
1
英文学の本でモダニズムというと1920sに全盛を迎えた実験的潮流を指すのが普通だが、本書では芸術家や知識人たちによる、モビリティの高い社会の中で位置取りの試みを指し、20世紀半ばに活躍したニューレフトの書き手たちに焦点をあてる。後に出てくる(ポスト)構造主義とは違って主体感覚にこだわったという点がポイントのようだ。2019/02/04
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