内容説明
第2次世界大戦の終結から60年が経過した今、1970年代、80年代の日本におけるアメリカ文学研究と国文学評論の関係性を見つめ直し、現代文学、そしてその研究と評論のあり方を考える!フォークナー、メルヴィル、ヘンリー・ミラーにマラマッド、井上光晴、小川国夫、大庭みな子、黒井千次、古井由吉、冥王まさ子、中上健次まで縦横無尽の作品論を収録。
目次
1 テキストとコンテキスト(シェイクスピア作『マクベス』;文化的無人地帯を穿つ―翻訳の創造的契機について ほか)
2 アメリカ的想像力あるいは創造力(南部文学のジレンマ―「アグレーリアン」運動から「南部文芸復興」へ;フォークナー研究ノート―若干の原型的なイメージについて ほか)
3 口承と音(口承ということ―私的感想として;ことばと音声、風景と絵画―漱石作『草枕』を再読しつつ)
4 日本文学―文体論と作品論(文体の有機性―受動と能動 古井由吉の内部;「陥ちる」モチーフについて―小川国夫『試みの岸』 ほか)
5 日本文学―文藝時評(“空白”を埋める文体とは―様々なバリエーション、例えば「語り」;方法としての“時間の遠近法”―始まり直さねばならぬ不可避な課題 ほか)
著者等紹介
大橋健三郎[オオハシケンザブロウ]
1919年、京都生まれ。東京大学名誉教授、鶴見大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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