内容説明
50歳にして異国の「白い巨塔」に単身乗り込み、たちまちにしてアイオワ大学病院小児外科部長にのぼりつめた手術の名手。メスを握ればアメリカンもビックリの神の手を持つこの男は、「オペのイチロー」と呼ばれた。メスをペンに持ち替えて、日米の教育、医療、年金等さまざまな問題に鋭い切り口で迫る痛快エッセイ集。
目次
第1章 オペのイチロー ニッポンにメス(アメリカで生存するには;いずことて子どもは頭痛の種なり ほか)
第2章 オペのイチロー アメリカンライフ(悪徳業者撃退法・手抜きには法で;驚異の水鉄砲トイレ ほか)
第3章 オペのイチロー 本領発揮(ブラックジャックの旅;日米医学教育事情 ほか)
第4章 オペのイチロー メスを措く(幼年K;少年K ほか)
著者等紹介
木村健[キムラケン]
1937年広島県府中市生まれ。1963年神戸大学医学部卒業。2001年アイオワ大学医学部名誉教授。1986年兵庫県立こども病院外科部長時、NYシュナイダー小児病院からリクルートされ渡米。翌年再びアイオワ大学外科外科準教授にリクルート。1990年に同大学外科教授、92年に小児外科部長に就任する。十二指腸閉鎖症、全結腸無神経節症、先天性気管狭窄症、食道閉鎖症、短小腸管症の新手術方法の開発で世界に知られる。2001年外科医を引退後ホノルルに在住。現在は日本の医学教育、卒後研修、医療制度の改革に貢献中。日米で数千人の患者を手術した体験から、両国の文化、ライフスタイル、社会通念の違いに鋭いメスを入れたエッセイを、日本の新聞、雑誌に連載し、人気を得ている。代表作品「肥後の守」は、日本エッセイストクラブ編のベストエッセイ集『母の加護』(文藝春秋社、1986年)に選ばれ、大学の国語入試問題や中学国語の教材に使われている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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