内容説明
巡業劇団は女王陛下のスパイだった!?16世紀のイングランド、チューダー朝の宮廷に祝宴局が誕生した。当初は内外に政権の力を「見せる」手段としてエンターテインメントを管理運営し、後には保護と統制という2つの手段でシェイクスピアを生むエリザベス朝演劇の黄金時代を築き上げた。本書では、宮廷を中心に繰り広げられた華やかなエンターテインメント戦略の舞台裏を、当時の文献と近年の研究成果をもとに洗い出す。
目次
第1章 祝宴局の成立(チューダー王朝の形成とエンターテインメント―ヘンリー七世の時代;祝宴局の常設へ―ヘンリー八世の時代)
第2章 エリザベス朝初期の祝宴局(エリザベス女王の祝宴局とその課題;祝宴局とエンターテインメントの新しい方向)
第3章 エドムンド・ティルニーの登場(ティルニー第三代祝宴局長に就任;一五八一年のパテント―祝宴局長の権限;ティルニーの時代へ)
第4章 女王一座(中央劇団の結成;一座の活動―中央と地方;伝統的ドラマツルギーとその限界)
著者等紹介
有路雍子[アルジヨウコ]
1939年生まれ、津田塾大学大学院/成城大学大学院修了。東京学芸大学名誉教授。イギリス・ルネサンス文学専攻
成沢和子[ナルサワカズコ]
1940年生まれ。津田塾大学大学院修了。信州大学教授。イギリス・ルネサンス文学専攻
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