男女七人ネット心中―マリアはなぜ死んだのか

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784775303658
  • NDC分類 368.3
  • Cコード C0036

内容説明

2004年10月12日、埼玉県皆野町の山中で男女七人がレンタカーの中で死亡しているのが発見された。死因は練炭による一酸化炭素中毒だった。北は青森から南は佐賀まで、全国各地から集まった七人の接点は、インターネット。いわゆる「ネット心中」である。連鎖的に、いわば流行のように広がった自殺の手段だった。「過去最高の人数」の自殺者を出したこの事件は、世間の注目を浴び、この集団自殺の呼びかけ人「マリア」から計画を知らされていた著者に、マスコミは殺到した。マリアはなぜ死を選んだのか?事件が浮き彫りにする若者たちの「生きづらさ」とは?“準当事者”の著者が、今急増する「ネット心中」の背景に迫る。

目次

Introduction 七人が見た最後の風景
1 マリア(事件当日―マリアと六人の軌跡;マリアの人生―死にたいのではなく「死にたい症候群」;七人の自殺志願者―八人目の志願者ユウジとのメールから ほか)
2 生きづらさのサイン(インターネット・コミュニケーション―ヴァーチャルな私、オンラインの私;チャット依存―つながってる感覚、構ってもらえる関係;援助交際―自分を物語るもの、承認するもの ほか)
3 わかれ道(自らの命をひとりで―周囲にメッセージとして伝わらない;癒し―生きづらさを見つめ直して;模索―生と死の狭間で ほか)

著者等紹介

渋井哲也[シブイテツヤ]
フリージャーナリスト。1969年栃木県生まれ。東洋大学卒業後、長野日報社に入社。98年フリーとして独立するとともに、東洋大学大学院で教育学を専攻し、インターネット・コミュニケーションと居場所について研究
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Chilu

8
同作者の本なのにこんなに書き方が異なっているのは驚き。作者自身がご自分の治癒の為に書かれたのでしょうか…。未整理な雰囲気がそのままどばーっと文書になっていて、読み手も気力が必要です。2018/05/27

RYOyan

8
そうかぁ、もう、そんなに経つんだな。あれから10年以上過ぎてるけど、あまり状況が変わっていないのが悲しい。事件ばかりがセンセーショナルに取り上げられるけど、鬱々と続いている生きづらさを巡る現実に寄り添う必要があるように思う。2017/11/20

しげ

7
十年前、ネット心中や自殺サイトがマスコミに取り沙汰され、社会問題となっていたことを思い出しました。いまはぱったりと取り上げられなくなりましたが、それは「心の闇」も「ネット心中」も存在しなくなったからなのでしょうか。十年前よりも現在のほうが生きやすい世の中になったからなのでしょうか。自殺未遂やリストカットを繰り返している若い女の子へのインタビューで、多くの子が幼少期に家族から性的虐待を受けたと話しており、胸が苦しくなりました。性的虐待というものがなくなるために、わたしは何が出来るんだろう。2013/06/28

しば

3
図書館本。この事件についても知らないままに読んだ。計画と、勢いと、雰囲気と、流れと、2014/08/25

misui

2
2004年の心中事件の呼びかけ人の女性とも交流のあったライターによるルポと考察。事件を追いつつ、ネット上に様々に存在する生きづらさのサインを取り上げ、ネットがそれをマイナスに増幅する危険性とともに、生きづらさを脱する契機にもなるということを強調する。与えられた環境や経験によって作られた人それぞれの自己イメージ・物語を、コミュニケーションを通して編集しつづけていく、それが生きづらさを脱する方途なのではないかと。物語でしかない人生について考えることが多かったのでこれは非常に示唆に富んだ内容だった。2011/07/30

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