内容説明
江戸は楓川近く、松川町にある二軒の見世―。兄が仕切る駕籠屋と弟が商う飯屋の名はどちらも「江戸屋」。ことに「人情めし屋」と呼ばれる飯屋は料理の評判があまたな人々を呼び、にぎやかだがほんのりと情に厚い街をこしらえていた。そんな折、薬研堀で商人の主従が何者かに殺された。徒党を組んだ辻斬りの仕業と思われた。南町奉行所隠密廻り同心の月崎湯之進は、二人の手下とともに下手人探索に乗り出す。だがその矢先、またしても辻斬りは起きた。しかも犠牲になったのは、なんと江戸屋の駕籠かき二人だった。悲しみに暮れる江戸屋の面々の敵を討つべく、陽之進はあたりをつけた下手人を追い詰めていくが…。江戸料理人情物語。
著者等紹介
倉阪鬼一郎[クラサカキイチロウ]
1960年、三重県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。印刷会社勤務を経て98年より専業作家。ミステリー、ホラー、幻想、ユーモアなど、幅広いジャンルの作品を発表し、2008年『火盗改香坂主税影斬り』(双葉文庫)で、時代小説家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
47
兄が駕篭屋で弟がその傍で飯屋を営む。兄弟で仲良く江戸屋ののれんを守るっていうのがいい。あっちが儲かっているのにうちは・・なんてつまらん事を言うこともなく人情めし?を売りにする。今の時代なら皆大喜びなんだろうけど。剣豪同心と長谷川平蔵さんの遠縁・・軽く他人?が登場するのですが・・。2軒の江戸屋か同心と与力が主人公なのか・・ちょっと・・まぁ江戸の市井のことですから駕篭かきやさんのことがわかっただけでも儲けもの。先棒が「はあん」後棒が「ほう」。東映映画村の大部屋の方もそういって駕篭かきされてたのかしら。2022/03/05
雅
43
駕籠屋と飯屋による人情話かと思ったら、意外と捕物が多かった。ハラハラな場面もあったりして面白かったです2024/01/24
酔拳2
23
何というか、お気楽に読める時代ものですな。辻斬りの犯人を捕まえる話だから、死人も出てるんだけど、セリフが多いからかな、何も心揺さぶられることなく読んでしまった(言い方悪いね)。どちらも江戸屋という駕籠屋と飯屋、その主人が兄弟。主人公だと思うんだけど、あんま話に関係してこないんだよね。それよりも柳生新陰流の使い手の同心と、火盗改の与力が中心。あと登場人物が割と多くて、誰が誰なのか…みんなそんなに特徴ないし…。料理の説明とか、陽月流とかいいとこもあったけどね。2024/09/06
ごへいもち
11
う~ん、何がとははっきりしないけれどイマイチ乗れなかった2023/07/09