内容説明
吉原を抜け、下谷の旗本屋敷内にあらたな診療所を開いた蘭方医の沢村伊織。遊女や遊郭の金持ち客などの依頼とは縁遠くなったものの、ではごく普通の医者になったかと言えば、それもちと違う。かつての学友である奉行所同心・中島粂之丞の要請で、伊織は、町奉行所の実質的な検死医とも言える存在となっていたのだ。そんな伊織の診療所に、怪我を負った按摩が転がりこんでくる。手当を終えた伊織に、按摩はおのれが巻きこまれた、なんとも奇妙な事件を告白する。そしてその一件は、謎の亡骸と消えた大金、過去の悲惨な殺しの裏側へと、密接に絡んでくるのだが…。最新医術を駆使し、事件の謎に迫る大好評シリーズ・第六弾!
著者等紹介
永井義男[ナガイヨシオ]
1949年生まれ、97年に『算学奇人伝』で第六回開高健賞を受賞。本格的な作家活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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