内容説明
家来との祝言が決まっていた中臈に目をつけた殿を諌めるため、覚悟の出奔をした潮田万之助は、武州屋徳兵衛と名乗る商人と行き会う。なりゆきから武家娘早苗、女軽業小狐太夫は助けたのだが、逃げ出した地獄屋敷から追っ手が迫っていた。万之助は早苗だけでも信用のある三つ俣の姉姫さまのところに身を隠すことを思いつく…。満を持して姉姫さまを訪れた万之助だったが、そこで事の真相を掴む。近習仲間の安岡英之進とその一派が、お家と姉姫さまを我がものにしようと牙を剥いていたのだった―。
著者等紹介
山手樹一郎[ヤマテキイチロウ]
1899年、栃木県生まれ。編集者を経て文筆生活に入る。1940年より新聞連載を始め翌年刊行の『桃太郎侍』が大人気を博し、時代小説家としての地位を不動のものとした。その後も読者を楽しませることに徹した明朗闊達、爽快な作風で国民的人気作家として活躍し、映像化作品も多い。1977年勲三等瑞宝章を受章、1978年永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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