内容説明
常陸にある越貫藩一万石の藩主・曾根隆徳は、ある日の江戸城内で、些細なことからとんでもない試合の約束を交わしてしまう。それは、越貫藩と水戸藩が、たがいに腕自慢の藩士を五名ずつ選びだし、藩の名誉をかけて戦うといった剣術試合であった。相手は徳川御三家の大藩、かかえる剣士も猛者揃い。それにひきかえ越貫藩は、ようやく見つけた候補者も、剣を知らぬへっぽこ藩士ばかりというありさま。困り果てた江戸家老の梶原は、酒浸りでやる気のない藤堂雄馬という男に、なかば自棄で指南役を頼むのであったが…。この酒好き師範と駄目藩士たちが、誰もが予想しえなかった奇跡を起こしていく！著者渾身の読み切り痛快長編！
著者等紹介
飯野笙子［イイノショウコ］
神奈川県生まれ。早稲田大学卒業後、編集者、ライターを経て作家デビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
読書家
0
弱者救済で疾風の雄馬の二つ名を持つ酔いどれ藤堂雄馬だが､狡賢い輩に騙されて相手を不具の身にし、剣から遠ざかる｡ 見かねた佐倉の旧い友人北村義康に頼まれて腰貫藩の剣術指南として水戸藩との試合に臨む｡剣を捨てたはずの雄馬が弟子達と成長する姿が頼もしかった｡2022/07/31
