内容説明
引き締まった体躯に、聡明そうな凛とした顔立ち。くっと口角が上がった口元から覗く白い歯が眩しい若侍は、浜御殿に住む金平として誰からも慕われる若様だった。だが、彼の本当の身分は、畏れ多くも三代将軍家光の三男にして、四代家綱の弟である徳川綱重であった。腕白育ちで江戸の町を闊歩しながらも、甲府藩主で参議を賜る身であったのだ。綱重は、豊臣秀頼の正室で大坂落城を見届けた千姫に育てられたが、その養母から豊臣家の血を引く侍女を側室としてあてがわれる。徳川と豊臣を結ぶ子の誕生こそ、天下泰平を為す―千姫の意図を汲んだ綱重だったが、幕閣の中に強かな陰謀を企む奸臣の存在が明らかに!名君として名を残す甲府宰相の若き日の躍動を描く、期待の新シリーズ!!
著者等紹介
鷹井伶[タカイレイ]
兵庫県神戸市出身。甲南大学文学部卒業。脚本家として、ドラマ・ドキュメンタリー構成等を多数執筆。2013年、鷹井伶名義で時代小説デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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