内容説明
旗本や諸藩の江戸屋敷、蔵宿から鮮やかに大金を奪い、その金の一部を暮らしに窮する下々の家に投げ入れる盗賊“銀狼”。義賊と噂の盗賊一味の捕縛を命じられた北町奉行所吟味方与力の鼓晋作は、押し込み先では誰も傷つけず、手妻のように犯行を繰り返す賊の手掛かりを求め、過去の似た手口や襲われた武家の共通点を洗い出してゆく。そして、十年前に南北両奉行所を翻弄し、忽然と姿を消した一味にたどりついた。そんな地道な探索の最中、一人の座頭が殺され、その男に借金していた小普請組の御家人一家が離散していたことが判明する。悲運に見舞われ、残された姉弟三人と盗賊の間に隠された因縁とは!?好評を博す長編傑作時代小説第二弾!
著者等紹介
辻堂魁[ツジドウカイ]
1948年、高知県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、出版社に勤務。その後、退社して本格的に文筆業に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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天笑院たか姫
4
旗本や蔵宿から鮮やかに大金を奪い、暮らしに窮する下々の家に投げ入れる義賊と噂の「銀狼」の捕縛を命じられた北町奉行所吟味方与力・鼓晋作は、過去の似た手口などを洗い出して、十年前に忽然と姿を消した一味にたどりつく。そんな中、ひとりの因業な金貸しの座頭が殺される事件が起きた。悲運の姉弟と盗賊の縁に胸がつまる。本当の父親みたいな存在だったのでしょうね。2016/11/23
めにい
3
しっとりとした情感を持つ作品。辛酸をなめた若人たちに幸あれ。2016/02/13
山内正
2
盗賊銀狼を追い神田川沿いの舟を探り当て船頭に何処に行く?と 中に評判の花守と分かる 客を送った帰りだと答える! 七件の盗みを探る為鼓習作は奉行から探索を命じられた そんな中検校が川に浮かんだ 検校の昔が解り武士が打首になった 事件が分かる。 その子供達は行方知れずにいた 十年前白狐の盗みがあり 行方知れずなのが 習作は気になる そして花守が絡みだし 哀れみと逞しさのある花守が心に残る!2018/07/07
アニータ
1
シリーズ2作目。吟味方与力にしては優しすぎる気もしますが、「人情控」ですから。。。2021/04/13
ササ
0
シリーズものだが一先ず出ているのはここまで。出世頭になったのねー!奉行所内の出世争いなどもあり、興味深い。「夫が持てないより持てたほうがよろしゅうございますもの」と言い放つ高江が頼もしくてかわいい。2023/10/08