内容説明
女の眉のような細い月が浮かぶなか、牢屋同心・橋場慶次郎は、ある罪人の処刑に立ち会っていた。そして、刑の執行寸前に罪人が浮かべたかすかな笑みの意味を、慶次郎ひとりが知っていた…。伝馬町牢屋敷に勤める橋場慶次郎は、やや間のびした顔とおっとりとした立ち居振る舞いを見せる、ごく普通の地味な役人である。だがその裏では、病弱なひとり息子の薬代のため、遠島・打ち首などの重罪人の頼みを聞き届ける『閻魔の旦那』として知られていた。ひそかに心寄せる亡き親友の妻・沙世や、牢屋下男の繁蔵、粋でいなせな手下・兵吉とともに、慶次郎は、さまざまな罪人の最期の願いを叶えていく。剣あり涙ありの、情緒あふれる新シリーズ。
著者等紹介
飯野笙子[イイノショウコ]
神奈川県生まれ。早稲田大学卒業後、編集者、ライターを経て作家デビュー。新進気鋭の女流時代小説の書き手として作品を意欲的に執筆中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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