内容説明
薬研堀の医師“薮髭”こと五十嵐祥庵の元に、ある日担ぎ込まれた一人の若い女。祥庵は、大川で溺れていたという女の体を診て驚いた。体中が、まるで嬲られたような痣で覆われていたのだ。事情を尋ねる祥庵だが、女は首を振って、家に帰らせて欲しいと訴えるばかり。この女には、何か隠されたいわれがある―。祥庵は、閉ざされた女の心を開くとともに、真相を探ろうと心に決める。女は作事方小頭補佐役・井村家の妻・佳代。だが佳代は二人目の妻で、井村家には先に不審な死を遂げた最初の妻がいた。南町同心・鎌谷厳重郎の助けで真相に迫る祥庵。だがその矢先、祥庵を凶刃が…。心の傷を、情けで癒し、剣で繕う官能時代小説。
著者等紹介
広山義慶[ヒロヤマヨシノリ]
1937年大阪市生まれ。早稲田大学仏文科卒業。フランス語の翻訳、児童文学やTVドラマの脚本執筆など数々の職業を経て、1983年長編社会派推理『夏回帰線』の発表を機に作家業に専念。『女喰い』『裏刑事捜査帳』シリーズなど多数の著書で人気を博している。2006年、長編時代小説『老中の首』(秋山慶彦名義)を発表。以降、時代小説の分野にも精力的に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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