内容説明
湯島天神裏の杉林で、神田佐久間町の下駄屋の娘・お登勢が首を絞められ殺された。お登勢は町火消し『か』組の纏持ち与ノ助が、自分の女房にするつもりだと、組の仲間に公言していた娘だった。与ノ助は『か』組一番の色男。腕っぷしが強く、侠気にとみ、神田界隈では男伊達を売り出し中だ。だが、与ノ助の持ち物である兎の根付を、死んだお登勢が握っていたことから、与ノ助は町方に下手人として疑われてしまう。与ノ助の無実を信じる組頭・白鳶の忠吉は、岡っ引きの悪七と南町奉行所定廻り同心・天野長左衛門に対抗して事件の真相を探るべく動き出す。だがその矢先、突如起こった火事によって、火消したちと町方は火事場のまっただ中で対峙することに…。
著者等紹介
澤田直大[サワダナオヒロ]
1962年、静岡県浜松市生まれ。2001年、第七回歴史群像大賞優秀賞を受賞し、沢田黒蔵名義の『黄金の忍者』シリーズでデビュー。2002年、『不問ノ速太、疾る』で第二回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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