内容説明
昭和２０年、後藤真治飛曹長は名古屋上空で５式戦を駆って、米機動部隊のＦ６Ｆ、Ｆ４Ｕ大編隊を相手に絶望的な空中戦を展開していた。その時突然、目の前に断雲が現れ、奇跡が起こった。幻の試作高高度戦闘機キ９８‐１が飛来し、米海軍機を次々と撃墜していったのである。戦闘が終わると、キ９８は翼を振り、ついてくるように指示してきた。彼を迎えたのは、昭和ではなく、平成の小牧基地だった。呆然自失状態の後藤に、キ９８の操縦士・宮内博喜少尉は「我々は汎時間管理強制執行部隊」に属し、ナチスの歴史改変の阻止が任務だと説明した。謎の断雲は、平成と昭和を繋ぐタイムトンネル「トランスファ空間」であることが判明した。史実では、数日後にＢ‐２９の大編隊が名古屋を大空襲する。平成日本を守るため、防衛庁・官邸・警視庁が総力を挙げて時空断裂の謎に挑む。
著者等紹介
米田淳一［ヨネダジュンイチ］
１９７３年、秋田県生まれ。現在、神奈川県厚木市在住。１９９７年、講談社よりＳＦ作品『プリンセス・プラスティック』で作家デビュー
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