内容説明
「その親は、捜査に難癖をつけ、事故死として倍額の保険金をもらおうと企んでいるんじゃないのかね?」保険調査員・篠塚洋司は、倉敷中央警察署の警部補の言葉に強い反発を覚えた。一人娘を失った遺族の悲しみを、あまりにも理解しない無神経さに、激しい怒りが胸に湧き上がってきた。東京在住のOL・木内亜希子が、深夜の倉敷のマンションから謎の飛び降り自殺を遂げた事件に不審を抱いて調査を開始した篠塚だったが、次第に迷宮のように不可解な人間関係に巻き込まれていく…。気鋭の推理作家・矢島誠が詩情豊かな白壁の街・倉敷を舞台に描く傑作旅情ミステリー。
著者等紹介
矢島誠[ヤジママコト]
1954年、東京都出身。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』(栄光出版社)でデビュー。地方都市を舞台にした旅情溢れる長編ミステリーが多い
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