出版社内容情報
小さな島にすむひとりぼっちのイグアナと羽を傷めたカモメの穏やかでやさしい時間。詩人「内田麟太郎」+人気彫刻家「はしもとみお」のふたりによる初めての写真絵本。
内容説明
いつかまた、会える。ひとりぼっちのイグアナと、心やさしいカモメのはかなくも眩しい「出会い」と「喪失」の物語。詩人・内田麟太郎×動物肖像彫刻家・はしもとみお―ふたりが初めて出会った絵本。
著者等紹介
内田麟太郎[ウチダリンタロウ]
1941年、福岡県生まれ。詩人、児童文学作家、絵詞(えことば)作家。詩集『ぼくたちはなく』(PHP研究所)で三越左千夫少年詩賞受賞。『さかさまライオン』(絵・長新太 童心社)で絵本にっぽん賞、『うそつきのつき』(絵・荒井良二 文溪堂)で小学館児童出版文化賞、『がたごとがたごと』(絵・西村繁男 童心社)『すやすやタヌキがねていたら』(絵・渡辺有一 文研出版)で日本絵本賞を受賞
はしもとみお[ハシモトミオ]
1980年、兵庫県生まれ。動物たちのそのままの姿形を木彫りにする動物肖像彫刻家。各地の美術館や本屋などで木彫りの動物たちと触れあえる展覧会を開催し、人気を博す。原寸大の動物彫刻のほか、ミニチュア彫刻、動物のカプセルトイの原型制作、動物のイラストなども手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
75
絵本。素朴なカラードローイングの背景に木彫りの人形▽小さな島にたった一匹で暮らしているイグアナは、何不自由なく毎日平和だった。カモメが一羽、けがを負って舞おりてきた。イグアナはカモメを助け、カモメは歌をうたう「おともだちはいなかったの?それでさびしくなかったの?」ひとりぼっちの寂しさを知らなかったイグアナは首をかしげる。けれど、けがが治ったカモメは去っていく。その時はじめてイグアナは涙を流し寂しさを感じる▽寂しいけれど「いつか また」そう思えるのはいいこと?2023年発行2025/03/14
馨
69
絵本。木彫りで出来たイグアナとカモメが巧妙で凄かったです。 生まれた時から一人で生きてきたイグアナは一人ぼっちや寂しさの意味がわからない。ある日やってきた負傷したカモメと友達になり、カモメの快復、お別れに際し初めて知る喪失感。淋しい話でしたがぐっと来ました。2024/02/04
yomineko@ヴィタリにゃん
61
読み友様からのご紹介本です📙ずっと一人で暮らしていたイグアナ。羽根を傷めたカモメと仲良しになる😊寒くなると、カモメは南国へと旅立たなければならない。辛く、寂しい。イグアナは生まれて初めて、友達の名前を呼んだのです。2024/04/29
anne@灯れ松明の火
29
新着棚で。生まれた時から、ずっとひとりだったイグアナ。それが当たり前だったイグアナ。怪我をしたカモメと出会い、助け……。大好きな はしもとみおさんの木彫。なんと表情豊かなこと! 内田さんのおはなしの切なさ、温かさに、胸がふるえる。最後まで読んで、タイトルを見直すと、涙が出そうになる。敬老会候補。4:402023/12/03
ベル@bell-zou
26
知らずに済んだのならその方が、これまでのようにこれからもただ穏やかに暮らせたのではないか。そう思わずにはいられないほど友だちの名を呼ぶイグアナが切なくて…。いや、ハッキリ言おう。ずっとひとりぼっちだったことが”かわいそう”なんて勝手な決めつけではないのか。この一言にずっとモヤモヤしたまま読み終えてしまった。はしもとみおさんの彫刻と絵はとても素敵。木彫りのイグアナに彩色したこの質感、完璧。三種類くらい作ったのかな。角度を変えたり開いた口に魚を銜えさせたり。ずっとイグアナを眺めていられる愉しさが〇。2023/12/09