内容説明
地中で暮らすセミくんにかかってきた一本の電話。「ええ、そうです、いよいよ今夜です」セミの幼虫の羽化を描く楽しい絵本。
著者等紹介
工藤ノリコ[クドウノリコ]
1970年、横浜市生まれ。女子美術短期大学卒業。絵本作家、漫画家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
日曜日のクマの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
128
よいしょ、よいしょと梯子を登って地上に出たセミくん。長いこと住んでた心地良いおうちに別れを告げる場面にグッときました。2022/02/23
馨
128
長年土の中で寝ていたセミが満を持して地上に出てくる絵本。毎年うるさい印象しかないセミですが、これを読んだらちょっとは歓迎してあげたくなりました。絵が可愛いです。2021/08/01
紫綺
122
セミくんの誕生(脱皮)を虫たちみんながお祝い♪空を飛べる喜び、解放感がよく表現されている楽しい絵本。色んな虫たちの色んなお部屋が面白い。2015/07/05
吉田あや
90
きのこのランプに見守られ、どんぐりの飾りのついたフカフカのベッドで寝ていると、長い夜を引き裂くように鳴り響く電話のベル。「ええ そうです。いよいよ 今夜です」。何年も過ごしたお家にさよならをして、長い長い梯子を登り、高い木の葉っぱで月夜の羽化を始める蝉さん。月明りが太陽と交代する頃、歓びの羽を広げて飛び立つと、地上では成長を祝って集まった虫の仲間たちが。ミツバチの作った花粉団子とハチミツ、アオムシのちぎったキャベツのサラダ、スズムシの音楽隊、空には花火のように煌めくホタルの灯り。(⇒)2020/08/02
Kawai Hideki
83
タイトルの「いよいよこんやです」に、ちょっと不吉な響きを感じてしまうのだが、逆に生きる喜びに満ちた絵本。「いよいよ今夜地上に出るセミくん」を、カブトムシ、ハチ、イモムシ、キリギリスやホタルたちがみんな総出でお祝いしてくれる。地中の居心地の良さそうな部屋に、そっと別れと感謝を告げるセミくんに、ぐっとくるものがあった。裏表紙ではちゃんと出会いの予感も。今年の夏は、セミの羽化を見る機会も多く、抜け殻をコレクションしたり、成虫をキャッチ&リリースしまくったりと、多くのセミくんにお世話になった夏であった。2016/08/14