内容説明
手術、放射線、重粒子線など局所療法は腫瘍のかたまりをたたくのが得意。問題は、全身に散り、活発に転移するがん。がん細胞は、多様性に富み、さかんに性質を変える。抗がん剤は、がんの勢いをそぐのが得意だが、薬剤耐性を得たがんは増殖する。獲得免疫は、一部のがんを攻撃するが、がんの変化に対応できない。唯一、どんながん細胞でも狙い撃ちする(活性の高い)NK細胞。
目次
プロローグ あるがん患者さんの闘いの足跡
免疫の本当の姿―免疫の主役、自然免疫と知名度の高い獲得免疫
標準治療の限界―三大療法でがんは治るのか
がん特異抗原を探せ!―がん細胞だけが持つ特異抗原はあるのか、ないのか
がんと免疫―がん治療に免疫を応用する
免疫細胞療法の歩み―本当に効果のある免疫細胞療法を求めて
あくまで本命NK細胞の本格培養を―NK細胞培養のトリレンマを乗り越える
もう一つの免疫細胞療法(CTL療法)―培養キラーT細胞をがん治療に活用する
ANK免疫細胞療法の治療の流れ―どこで、どのようにして、どんな治療を受けるのか
ANK免疫細胞療法の治療設計―治療効果から費用や治療中の生活まで総合的に判断〔ほか〕
著者等紹介
藤井真則[フジイマサノリ]
大阪大学理学部生物学科卒。細胞生理学、分子遺伝学を専攻。1984年、三菱商事入社。バイオ医薬品部門において、欧米のバイオベンチャー2000社以上と接触、医薬品メーカー、大学、政府研究機関などとも共同で新薬、ワクチン、診断薬などを開発、エビデンスを構築し、日本の医薬品メーカー等へライセンス販売を行う業務に従事する。「薬でがんは治らない」現実に直面。2004年、三菱商事企業投資部門時代に「細胞医療により、がんからの生還を目指す」リンパ球バンク株式会社へ投資、同社社外取締役に就任する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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