感想・レビュー
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あや
20
著者は1984年生まれ。広島出身。日大芸術学部で福島泰樹さんと出会い月光の会へ。福島泰樹さんの跋文がとても良い。お父様に対しても、お母様に対しても複雑な感情を抱いていて短歌という器で結実する。重いテーマでありながら、字余りや句跨りが少ないので静かに胸にしみ込む。 被爆者手帳使わぬ祖父は国からの補助さえ生きる恥とするらし/爆心地から三十一キロその朝(あした)、洗濯する祖母が見た雲/口論の果てに夜更けに飛び出ても翌朝のため眠りし母は/サンタクロースが一度だけ来た父さんに煙草 私に赤い鉛筆2024/11/17