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内容説明
文豪たちはスペイン風邪をどう見、どう書き残したか?100年前のパンデミック作品を読む。
著者等紹介
紅野謙介[コウノケンスケ]
1956年、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程中退。麻布高等学校教諭を経て、日本大学文理学部教授、同学部長。専攻は日本近代文学。メディア環境や多様な文化の広がりの中で文学を捉える試みを続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いぼいのしし
26
小説、エッセイ、日記。おもしろかった。マスクをしたり人混みを避けたりうがいをしたり、大正時代から風邪やインフルエンザに対する認識は今と変わらないことがわかり親近感が湧いた。2021/10/17
澤水月
13
大正の文豪たちがパンデミック綴る小説、日記、随筆、私信アンソロ先発、21年2月。後発書との違いは内田百閒「棒給」(一家でかかり看護の手を求め借金することへの圧。軽妙だが現代のDaiGo思うと「貧乏人が支援求めるとは」という声に暗然)があることと、順番。始まりが志賀直哉「十一月三日午後の事」。鴨を買いに出た「私」は演習中の兵士がバタバタと倒れるのを鴨に対する気持ちとともに「不快に」眺める。大正デモクラシーの裏に潜む不穏がのっけから立ち上る。漫画のページまたぎのような度肝抜く「後日談」もあり◎(コメントへ続く2021/10/04
relaxopenenjoy
7
志賀直哉、佐々木邦、岸田國士、与謝野晶子、内田百閒、永井荷風、(菊池寛/谷崎は既読)のスペイン風邪、流行性感冒を取り扱う短編小説やエッセイ。全く知らなかったけど佐々木邦が面白かった。志賀直哉は我孫子に住んでいた頃の話。解説うち一編は感染症の専門家の方(わ、同い歳; 驚)。しかしスペイン風邪の国内死者数が二つの解説で大きく異なり「ん?」となった(細かい点であるが)。ちなみにこのアンソロジー「紙礫」シリーズ。すでに「人魚」は読みたい登録済みだけど、他にも読みたくなるタイトルがズラーリ。これはやばい(°▽°)2021/06/02
田中峰和
5
新型コロナは武漢が感染源であったが、スペイン風邪はスペインから拡がったわけではない。ピレネー山脈に隔てられ、イスラム圏に支配された異質な地として捉えられ命名されただけのようだ。日本における感染者数は2380万人、死者は38万8千人。新型コロナが70万人を超えたとはいえ桁が違う。当然のように、当時の文学者はこの感染病を作品の中に反映させた。志賀直哉は行軍中の軍隊を見て、バタバタ倒れる兵士に治療も施さない残酷さに驚いた。一方、家庭では女中との心温まる物語も残している。解雇しかけた女中に看病された話は印象的。2021/06/20
月華
3
図書館 棚で探せなくて、図書館の係り人に尋ねたら、新刊コーナーにありますと持ってきてくれました。8人、10個の小説、エッセイ、日記。文章と漢字が難しく、あまり理解は出来ませんでした。最後に、解説2個。ウィルス出現の経緯も、感染拡大の経路も、消滅した理由もまだ良くわかっていないとのこと。2021/04/09
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