目次
1(母;少年)
2(聰明;恋と革命;しゅったつ)
3(隣室の灯よはやく消えろ;帰郷)
岸上大作歌集「意志表示」抄
絶筆「ぼくのためのノート」
著者等紹介
福島泰樹[フクシマヤスキ]
1943年3月、東京下谷生。早大卒。69年、歌集『バリケード・一九六六年二月』でデビュー。「短歌絶叫コンサート」を創出、朗読ブームの火付け役を果たす。85年4月、「死者との共闘」を求めて東京吉祥寺「曼荼羅」で「月例」コンサートを開始。同年6月、短歌絶叫コンサート「六月の雨/樺美智子、岸上大作よ!」を開催。ブルガリアを皮切りに世界の各地で公演。国内外1600ステージをこなす。単行歌集、全歌集、評論集、DVDなど著作多数。毎月10日、吉祥寺「曼荼羅」での月例「短歌絶叫コンサート」も35年を迎えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かふ
17
歌人としての岸上大作とその実像。学生歌人としてデビューした歌集「意志表示」の一首目「意思表示せまり声なきこえを背にただ掌にマッチ擦るのみ」は寺山修司の短歌のパクリかと思えるのだが、同時に「寺山修司論」の「我」が個人のものとしながら全体性に埋没していくのを批評していく。意思表示はまさしく個人の表明なれど下の句は声が「こえ」として寺山修司を模倣していく。岸上大作のロシア文学趣味といい太宰好きといい昔の自分を見るようだった。ただ短歌の才能が無かったから、失恋で自殺を考えたりはしなかったのか?2024/09/16
チェアー
5
「意志表示」の岸上大作の実像。あまりにも恋愛偏重で、病的ですらある。複雑な言葉の香りと余韻を漂わせる短歌群とのギャップが大きく、戸惑ってしまう。自死の原因は行き過ぎた恋愛偏重であることは間違いないだろう。その過剰な思いと短歌はどんな関係にあるのか、それは分からなかった。 突貫で編集した本だということだが、誤字・脱字が著しい。読んでいて気になってしようがなかった。残念。2021/02/25
belle
3
遺された短歌が時を隔てても胸に響いてくる。切々と。巻末の歌集「意志表示」抄を繰り返し読む。岸上に選ばれて歌となった言葉たち。2021/06/10
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